「家の材料価格」エピソード2:水回り設備のカタログ価格は信用してはならない
家を建てる上で非常に高価なのが水回りの設備。風呂、トイレ、キッチンは非常に高いです。セルフビルドの猛者の中には、これら設備も自作してる人が少なくありません。どうせ家を作るなら、どんなものも自分でって人も多いでしょうが、買うと高いからという理由の人も少なくないでしょう。
しかし「趣味小屋」や「倉庫」でなく「生活する家」を作る以上、家族のコンセンサスが大切なのは前回も指摘したところ。毎日必ず使う水回りの設備は、家族の不満が非常に出やすいところなのです。我が家の場合も、セルフビルドを許してくれた妻の非常に強い希望(命令)のもと、水回り設備は既製品を購入し私が設置する形となりました。
しかしこれら設備の価格、カタログを取り寄せてみたら驚くほど高価です。ユニットバスやシステムキッチンなんかワンセットで100万円、便器も1個で10万円は当たり前。しかもそんな最低ランクでは、非常に寂しい設備になってしまう。
これは困った、買えないじゃんと悩んでいたら、馴染みになった水道工事屋の社長に言われました。
「相変わらず工事頑張ってんだろ、これ全部、3掛けで良いから」
「3かけ???」
そう、社長は今回、カタログの値段の「×0.3=7割引」で販売してくれるというのです。100万円なら30万円!!
「そんなに安いんですか!?」
「うちに工事させてくれるなら、もっと引くよ」
「えええっ!」
どうやら住宅設備全般は、工事費込みの価格で客と交渉ができるよう、カタログ価格はかなり高価に設定されてるようです。ただし、こんなにざっくばらんに話ができるのも、馴染みになってるから。普通にお店で本体だけを買うと半額がせいぜいなのだとか。
それでもカタログの価格の半額が普通とは、凄い話ですね。
「家の材料価格」エピソード3:床板の価格はピンからキリまで
セルフビルドを経験してから、取材などで住宅を訪ねた時に「床」をよく見るようになりました。高価な家と低価格な家の違いは色々ありますが、中身の骨組みは手を抜いて、外側だけ格好をつけた家も少なくありません。そんな中、はっきりと値段の差が出やすい部分が床だと思うのです。
床板の値段は本当にピンキリ。個人で購入する床板は、だいたい「一坪=畳2枚」単位。一番ランクが下の合板フローリングの場合この1坪が約3000円。これが同じ合板でも、表面に銘木を薄く貼り、しっかりとコーティングしたものだと1万円を超えます。
同じ合板同士なので、素人がパッと見ても違いはわかりません。もちろん上品な光沢や耐久性など、見る人が見れば高いだけのことはあるのですが、そんなところに+7000円を使うのは勇気が必要です。なんせ普通の一軒家でも床面積は30~40坪くらいあるわけですから。