平成も、だんだん遠くなりにけり。平成元年に生まれた子どもは今年でもう32歳。令和ベビーからすると、完全に「お父さん、お母さん」の年齢だ。そんな中、「平成レトロ」が注目を集めている。こちらは、平成レトロ研究家を名乗る山下メロ氏が提唱する概念で、平成初期のカルチャーを懐かしむこと。もはや、平成カルチャーとは「レトロ」扱いされるものなのだ。なお、平成レトロを代表するアイテムとしては、「写ルンです」や「たまごっち」などが例に挙げられている。

 昭和レトログッズのコレクターは世の中に多数おり、専門店なども存在する。平成レトロもそのようなカルチャーになりつつあるようだ。そう考えると、意外な懐かしグッズがお宝化する可能性も? いや、実際すでに好事家の間では「お宝」とされているアイテムもあるのだ!

『ドラゴンボール』のカードダスは要チェック

 たとえば、『ドラゴンボール』や『美少女戦士セーラームーン』など現在も人気が高い作品には大勢のコレクターがついており、関連グッズの需要が高い。中には、「こんなものにまで需要があるのか?」と驚くようなものまで中古市場に出回っている。筆者は2013年頃、アニメ放送当時に販売されていたセーラームーンの魚肉ソーセージの未開封品が売られているのを見かけたことがある。お値段2100円。箱を振ってみると、干からびたソーセージが中でカラコロ乾いた音を立てた。

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『ドラゴンボール』のカードダス(バンダイが展開するトレーディングカード。90年代に一大ブームとなった)の中には、50万円を超える金額で取引されているものもある。『ドラゴンボール』には、抽選物や現地配布物など限定カードダスが多数存在するが、その中でも「限定版第1号」と呼ばれるものは50万円前後で取引されており、今後さらに価格が上がっていくことが見込まれる。

『ドラゴンボール』のカードダス「限定版第1号」(画像提供:まんだらけ)

「限定版第1号」は連載当時、『週刊少年ジャンプ』誌上で抽選プレゼントとして制作されたもの。カードに「LIMITED3000」と銘打たれている通り、限定3000枚で展開された。その後も『週刊少年ジャンプ』ではドラゴンボールカードダスの限定プレゼントが何度も行われたが、その記念すべき第1号ということで人気が高いアイテムだ。

「鳥山明めちゃんこプロジェクト10枚組」は、さらなる高額でオークション市場に流通している。古書店チェーン「まんだらけ」での販売価格はなんと90万円(税別)。1993年に開催された「鳥山明めちゃんこプロジェクト」を記念して制作され、『週刊少年ジャンプ』にて2000セット限定で配布された。10枚組というのはハードルが高いが、もしも現存していた場合、いきなり大金が舞い込むことになる。

鳥山明めちゃんこプロジェクト10枚組(画像提供:まんだらけ)

 カード系で言えば、ポケモンカードゲームもコレクターが多いジャンルだ。メディアファクトリーから2000年2月に発売された「ポケモンカード★neo拡張パック第1弾『金、銀、新世界へ…』」の未開封ボックスは、5月に「まんだらけ」のWEBオークションにて150万円(税別)で落札された。

ポケモンカード★neo拡張パック第1弾『金、銀、新世界へ…』(画像提供:まんだらけ)

 気をつけるべきは、「旧裏版」という点だ。カードの裏面のデザインには、旧版と新版とふたつが存在し、ここまでの高額で取引されているのは、あくまで「旧裏版」。裏面をよく確認しないと、ぬか喜びに終わる可能性が大いにある。

旧裏版(左)と新裏版(右)の違いに要注意(画像提供:まんだらけ)