『平成2年』は平成グッズの中でもレア
また、山下氏は“平成元年グッズ”にも注目している。
「昭和天皇の崩御にともない平成が始まったので、令和と違って、当時の改元はあまりお祭りムードではありませんでした。ただ、少し喪に服した後、やっぱり平成元年を記念したグッズがいろいろ出たんですよね。『平成元年』と書かれたキーホルダーだけで、うちに3、40種類あります(笑)。
2、3年過ぎたら平成元年グッズなんて、わざわざ保存していませんよね。そういう意味では、平成元年グッズの希少度はさらに高くなっていきそうです。その中でも、特に注目したいのが『平成2年』グッズです。僕もこの1種類しか見つけていないんですが、ある1社だけが間違えて作ってしまったんですかね(笑)。自宅で発見したところで、『平成2年って何だよ』と思ってすぐ捨ててしまいそうですが、平成元年ブームという経緯を踏まえると、レアさがわかるグッズです」
「オアシス小僧」のオシャレなエビアンホルダー
山下氏は、こんなアイテムの画像も提供してくれた。エビアンのペットボトルを包む不思議な革製品。なんだか見覚えがあるような気もするが……。
「これは、エビアンのペットボトルを外で持ち歩くための『エビアンホルダー』です。オシャレな若者の間で、90年代に流行しました」
たしかに、そんなのあった!
「国内ではしばらく1リットル以上のペットボトルしか使用しておらず、500ミリリットル以下のペットボトルが解禁されたのは1996年になってからでした。それまでは、小容量のペットボトルは輸入品でした。そんな『外で水を飲む』ことがまだ珍しい時代では、フランス産のエビアンを専用の本革ベルトで持ち歩くのは、最先端の行為だったんです。ミネラルウォーターを外で飲む若者が、わざわざ『オアシス小僧』という名前でメディアから呼ばれていたなんて、現代からすると信じられませんよね。
エビアンホルダーは、『ヤフオク!』などにも全然出回りません。たぶん、知らない人が見たら、ただの革のひもなので、何だかよくわからないまま処分してしまうんだと思います。エビアンホルダーは、ペットボトルの解禁という時代背景を含めて、時代を表す貴重なアイテムです。自宅で変な革製品を見つけたら、エビアンホルダーではないか確認してみてください」
もしかすると、将来的には、平成レトロ博物館のような施設も生まれるのだろうか。そのように想像してみると、押入れの奥にあるガラクタがお宝に見えてきてしまう。意外なアイテムの需要が高かったりするので、大掃除のときはお気をつけて。
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※取材協力
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