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先生はとにかくサービス精神旺盛

──公式アカウントでは現在連載中の『MAO』のネームも公開されています。これもファンにとっては垂涎ものなのでは。

森脇 「ネームを見られるとは!」「貴重なものを公開してくださり、ありがとうございました」と喜びの返信が寄せられ、高橋先生も公開してよかったと喜んでくださっています。先生はとにかくサービス精神旺盛なんですよ。ファンの方に向けたメッセージなどでは、コメントのほかにちょっとしたイラストなども添えてくださることが多く、すごい作家さんだなといつも思っています。

森脇さん愛用の、『らんま1/2』のほぼ日手帳

 電子メールでのファンレターの送り方を知らないファンの方が意外と多かったので、送り方を掲載したところ、ものすごい反響をいただいたんです。プリントアウトしたらその厚みがすごくて。先生にお渡ししたら大変嬉しそうにされていて、こちらも嬉しくなりました。「電子メールだとほかの人との差がない」と心配されるファンの方もいらっしゃいましたが、先生は全部読んでいますので、ぜひ電子メールでもファンレター送ってください!

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ボツにした扉絵を「Twitterで使ってください」と渡されたことも

──本当にいつも読者のことを考えておられるのですね。

森脇 よく先生はご自分の作品がアニメ化や実写化されることを「ご褒美」と言っています。普段漫画を読まない方にアニメや映画などで作品に触れてもらえるのは、自分にとってもボーナスステージなので、一人でも多くの方に楽しんでいただけるような作品を描き続けたいと。

 Twitterでもその姿勢は変わりません。せっかく公式アカウントに来てくれた読者に楽しんでいただきたいということを常に考えておられるようで、先日はボツになった扉絵を「これ、よかったらTwitterで使ってください」と渡してくれました。

 描いている途中で「やっぱりこれは違うな」と思ってボツにされたそうなんですが、そんな貴重なものを公開してくださるなんて、担当編集としてはすごくありがたいというか、こんなに協力していただいていいんだろうかという感じです。

『週刊少年サンデー』で行った応募者全員サービスの『犬夜叉』複製原画

──先生の投稿を英訳してリツイートしている投稿も多く見かけます。海外ファンの方に向けて、今後企画されていることなどもあれば教えてください。

森脇 現在、基本的に発信は日本語だけですが、海外フォロワーが増えたので、今後は連載中の『MAO』を1話英訳して載せるなどもできたらいいなと、いま先生と考えているところです。

 過去作の未公開カットなど、まだ世の中に出ていない高橋作品を紹介するのもいいかなあなどとも話しているのですが、具体的にはまだ何も決まっていません。どういうことをやってほしいかを募集しようかとも考えていますので、ぜひたくさんの方に覗きにきていただけたら嬉しいです。

(撮影:今井知佑/文藝春秋)

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MAO (9)

高橋 留美子

小学館

2021年7月16日 発売