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「傷つきやすく不安」は正常な状態。かならず時が解決する

 多くの大人は、かつて自分も不安だったということをすっかり忘れています。若い人に向かって「気にし過ぎだ」「繊細過ぎる」、あるいは「俺だって克服してきたんだ。お前もそうしなさい」などと言ってしまうのはかえって不安を増大させ、逆効果です。その不安も、多くの場合はご自身の力が解決したのではなく、時が解決したのです。

 特にコロナ禍にあっては、学習面でも生活でも、将来についても世界は不安な要素に満ち溢れているように見えます。若い人は大人が感じるよりもずっと大きく不安を捉える脳を持っているということを理解しておく必要があるのです。

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 そして若い人自身は、自分が傷つきやすく不安でいることがどんなに辛くても、それは生理的なものであって、それがむしろ正常な状態なのだということを知っておいてください。かならず時が解決します。長いように見えても、確実にその不安は霧散して、感じていたことすら忘れてしまう時が来てしまうのです。

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 若い時代に不安を大きく感じる、ということには意味があります。不安があれば、備えを怠らなくなる。一生懸命勉強したり、何かスキルを身につけようとしたり、二度と同じ失敗を繰り返したりしないようにと緊張感が高まったりなど、総じて学習効率が上がるのです。不安は、辛い気持ちとセットではありますが、自分の力を伸ばす強い原動力ともなっているのだということを、ぜひ知っておいてほしいと思います。

成人しても不安に対して過敏な「繊細さん」

 一方で、最近は、成人してからも過敏で、不安を大きく感じがちだという人たちにスポットライトが当たっています。いわゆる「繊細さん」ですね。アメリカの心理学者エイレン・アーロンが、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)と名付けています。