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「めちゃモテ」OLの末路

 

鈴木 そういえば、私が大学3年の時に「CanCam」が最高部数になったんだよ。エビちゃんとかが流行りだして。

おぐら 「CanCam」といえば、『おじさんメモリアル』でめちゃモテOLの末路をずばっと書いてるのがすごいよかった。あれは、女子高生の時代にはそれだけで特別な価値があったけど、その後は……っていう話にも繋がる。

〈表紙には「めちゃモテ」の文字が躍る。ひとりに深く愛されることではなく、多くの人にちょっとずつ愛されることを目指す「めちゃモテ」OLの末路が、結果的には経験人数と合コン回数だけは重ねた独身30代になるとはこのころ誰も予測していなかった〉

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鈴木 めちゃモテの弊害です。

おぐら 「Can流」のこともそうだけど、やっぱり体感として、文化系の人たちはギャルやギャル男を下に見てたし、あるいは興味を持ったとしても、自分とは違う世界のもので、コンテンツとして消費してた。もともとサブカルチャーは下位文化だったはずなのに、なんで上から目線なんだよって話で。本質的に考えれば、ギャル文化は正しくカウンターカルチャーでしょ。

鈴木 既成概念を壊してたし。でもそういう視線は、男の人のほうが強いと思う。男の場合、新卒で就職する23歳ぐらいで、真面目な会社員がヤンキーやギャル男の収入を追い越すじゃん。だけど女の子は、30歳ぐらいまではギャルとかキャバ嬢やってたほうがむしろ収入高かったりして。

おぐら 収入とかを目安にして、社会的に下だと思って見てるのか。ただそれとは別で、マスコミの中でもテレビ局とか代理店の営業とかは、めっちゃチャラついてるよね。

鈴木 大学3年から大学院に入ってしばらくの間、合コンと飲み会に明け暮れた時期があるんだけど、そこで出会ったのはエリート系が多かった。二大広告代理店、民放キー局、三大商社、外資系、あとはレコード会社とか。

おぐら 本にも書いてあった。基本乳出しゲロまみれ、誰とも連絡先交換せずセックスだけはして帰るって。どんな飲み会だよ(笑)。

 

鈴木 テキーラを5分に1回飲んで、2時間後に全員つぶれて、全員が次の日病欠するっていう(笑)。

おぐら 2003年に早稲田のサークル「スーパーフリー」が事件になったとき、ちょうど大学3年生で、このままパーティーを続けてたらダメだって思ったよ。

鈴木 私が大学1年のときだ。

おぐら 早稲田に通ってた同級生がインカレのイベントサークルを立ち上げて、クラブで「ageHa満パンにしましょー! ヒューー!」とか言ってた。

鈴木 私が飲み会に狂ってたときは本当に忙しくて。10対10で富士急に行くとか言うから女の子を集めたりしてて。ケータイも知らないような大学の後輩の自宅に電話かけたりとかして。大変すぎて膀胱炎になった(笑)。

おぐら でもそういう派手な遊びをしてた、コミュ力だけは異常に発達してるみたいな人たちが、大企業に就職してたりもするからね。

鈴木 そういうことやってた人たちは、別にバカだって言われても反論しないし、自分たちは満足してるし、別にバカでいいよって思ってるから。ただの夏の思い出っていう(笑)。