昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「しみけんさんの動きは目の前でみたらF1みたい」

蛙野 いやいや。でも、やっぱり男優もトップ級は全然違いますよ。本当にプロというか、もう動きが全然違う。当たり前ですけど、普通AV以外で人のセックスを目の前で見ることってないじゃないですか。だから、自分が実際どんな動きをしているかってあまり見ることがないし、考えることもないですよね。そうすると自分ではすごく動いているつもりでも、実は傍目で見ると全然、動きが遅いんです。もし実際に自分の動きを見たら「AVで見ている動きと全然、違う!」と感じると思います。

 AVぐらい動こうと思ったら、本当に全身使って全力で動くつもりでやらないと、全然違う感じになっちゃうんです。だからしみけんさんの動きなんて、目の前でみたらF1みたいなもんですよね(笑)。F1ってテレビで見るのと、実際に見に行ったのでは臨場感が全く違うじゃないですか。現地で見ると目の前をブオオーンってすごい速さで車が駆け抜けていく――しみけんさんは本当にあの感じです。迫力がもう全然、違う。ああいう動きをしようと思ったら、「そりゃああいう体になるくらいのトレーニングしないとダメだよなぁ…」という気がします。

――レジェンドはすごいんですね…。稼ぎもすごそうです。

蛙野 ギャラは汁男優だとだいたい1回で5000円から1万2000円くらいですかね。絡みをやりだすと1万円から3万円くらい。有名男優になれば5万円とかの人もいます。値幅はその日にやる撮影の内容次第ですね。「絡みが今日は3回あるから2万円です」とか、「1日拘束されるから3万円で」とかそんな感じで。僕とかだと、結構その場の役どころによって金額は変わっていましたね。

 

男優を続けるモチベーションは…

――なるほど。蛙野さんはもともとアダルト業界への興味はあったんですか?

蛙野 もともとAVは大好きでしたけど、普通のエロい男子という程度で、風俗も数えるくらいしか行ったことなかったです。本当に前述した些細なきっかけがなければ絶対、やっていないと思います(笑)。だから「なんで男優続けているの?」というのはよく言われますね。

――…なんでですか?

蛙野 う~ん、そうですね…結構何年も出演していてもいつも思うのは「あ、いま自分がAVに出ている」っていう高揚感はありますよね。カメラがあって、スタッフがいて、そういう「『AVという娯楽』の中の世界にいるんだ」みたいな感じはあります。自分のすごく好きだったものの中にいると感じられるのは、いつも楽しいですね。

――ファンだった女優さんが来るとテンション上がるとか?

蛙野 それがファンだった女優さんってあまり会えてないんですよ。やっぱり女優さんも何千人といるので、そこで会えるのは本当に運です。僕が仕事をはじめる前に一番好きだったのがRioさんだったんですけど、仕事を始めてから1年くらいで引退しちゃったんですよね。その時の落胆ぶりはひどかったですね。「もう、やる気なくなった…」って。でも、憧れの女優さんに会えるというのも、確かにモチベーションのひとつにはありましたね。