“配布物飛ばし”、給食のおかずは二口程度しか盛られない……
1つは、「M小通信」「学年だより」「時間割」などの配布物を、N教諭が美咲さんに渡さないことだった。美咲さんの席は最前列だったが、N教諭は配布物を配る際に、美咲さんを飛ばして2列目の児童に渡し、3列目、4列目の児童……と配っていた。
こうした配布物飛ばしは繰り返されていたが、美咲さんはN教諭への恐怖心から「(配布物を)ください」と声を挙げることができなかったという。
他にも、授業で使う備品を他の児童には貸し出すが美咲さんには貸し出さないことや、パソコンを使う授業で常に「山本(美咲)さんの分はありません」と言われ、パソコンが割り当てられなかったこと、そして給食を少なく盛られていたことなどが、美咲さんの話や別の児童の親づてに聞いた話で判明したという。
「給食は主に当番の子が盛っていたようですが、N教諭が『山本(美咲)さんは少なくして』と言うため、少量しかおかずが盛られなかったようです。美咲に『どのくらい?』と聞くと、本当にわずか一口、二口程度の量を手で示しました」(父親)
いじめは、行事の準備の際にも起きた。年度末に行われる「6年生を送る会」の準備では、6年生に花束を作る、模造紙に送る言葉を書いて飾りつけをするなどの作業があり、N教諭は希望者を教室の前に集めた。美咲さんも手を挙げて作業に参加することを希望したが、美咲さんだけ割り当てられなかった。
この時、美咲さんは勇気を出してその理由を聞こうとしたが、N教諭は「コピーを取って来ます」と言ってさっさと教室を出て行ったという。6年生を送る会が行われた3月17日、美咲さんは泣き出して学校へ行くことができなかった。
「探しなさい」一人だけテストを受けさせてもらえず……
決定打となったのは3月4日の出来事だ。
美咲さんはこの頃不登校気味になっており、この日は給食の時間が終わった後に登校した。5時限目は理科と社会のテストの予定だったが、N教諭は、美咲さんが漢字テストの直しを提出していないとして「探しなさい」と指示した。
クラスでは漢字テストを行った翌日、書けなかった漢字を書き入れた直しを回収カゴに入れることになっていた。