1ページ目から読む
3/3ページ目
こうした事態を防ぐには、「こまめな水分補給」以外に有効な対策はない。
とはいえ、闇雲に大量の水を飲めばいい、というものでもないようだ。
「1日あたり2リットルを超える水を飲むのはスポーツ選手や屋外で働く人は別として過剰摂取といえるでしょう。特に短時間に大量の水を飲むと、体が『いまは水分を必要としない』と判断し、本当は必要な水分まで尿にして排泄してしまうのです。また心筋梗塞や心筋症、心房細動など慢性の心不全の治療を受けている人、あるいは利尿剤を服用中の人は、水分摂取量に制限があるので、医師の指示を厳守してください」
水分補給の目安は…
では、それ以外の健康な人は、どのようにして水分補給するべきなのか。三好医師が推奨するのは、先にも触れた「尿の色」を目安にする方法だ。
「尿の色が透明、もしくは透明に近い色であれば、水分補給はうまく行っていると考えていいでしょう。反対にはっきりした黄色、濃い黄色の尿が出るようなら、積極的な水分補給を心がけてほしい」
ちなみに、水分補給というとスポーツ飲料を思い浮かべるが、これらの中には糖分がたっぷり含まれているものもある。水分と一緒に糖分を過剰に補給してしまう危険性があるので、血糖値の高い人は注意を要する。緊急事態でなければ水や麦茶でも十分だし、どうしてもスポーツドリンクを飲みたいなら水で薄めて飲むという手もある。
梅雨明けから脱水のリスクは急速に高まる。
くれぐれもお気を付けください。