「車の買い方」に正解はあるのだろうか。
大きな買い物であればそれだけ、失敗をしたくないものだ。しかし一般に、金額が大きくなるほど購入機会も少なくなるから、予備知識をもって臨むことが難しくなる。
そのうえ最近では、「残価設定型ローン」やKINTOをはじめとする「車のサブスク」といった形態が登場し、購入・維持の方法も多様化している。選択肢の多さがかえって、「最適」を選ぶうえでの悩みの種となることもあるかもしれない。
車の購入を考える際に、最初の大きな分岐点として、「新車か、中古車か」という選択がある。新車派はいつも新車に、中古派はいつも中古に、というケースも多く、特段このポイントを意識することも少ないかもしれないが、それだけに「見直してみると、新たな発見がある」ということも考えられる。
そこで今回は、新車・中古車それぞれの選択肢に強いこだわりを持つユーザーや、新車・中古車ディーラーのスタッフに話を聞いてみた。
中古なら高級輸入車も選択肢に
まずは“中古派”の言い分に耳を傾けてみよう。
やはり、中古車の魅力と言えば「新車では手の届かない車に乗れる」というポイントだ。インフラ関連の企業に勤める40代のAさんは、「外車の値落ち率」がとくに高いことに注目し、高級外車を相場よりも安く乗り継いでいる。
「これまで車を買ったのは5回かな? 毎回1、2年落ちのBMWを選んでますね。BMWって、新しいモデルでも割とすぐ値落ちするから、新車で買うのがバカらしく思えて。今年に入って1年落ちの3シリーズ買って、新車だと600万近くするヤツですけど、税金とか含めて400万しないくらいでしたね」
中古とはいえ、1、2年程度で内外装や機関が劣化しているとは考えにくい。モノとしてはほとんど同じで、価格が3分の2まで落ちているのだから、こちらを選ばない手はないというわけだ。
「中古のBMWっていうと、軽蔑されそうですけど。でも、ブランド抜きで本当にモノがいいなら、この買い方が一番賢くないですか?」
高級車の「ステータス性」が重要なのであれば、確かに「新車で買った」という事実が大事なのかもしれない。一方で、高級車であるからには「車としての性能」そのものも高いはずであり、中古であれば高性能なものが割安で手に入るわけである。