値崩れしやすいのはセダンに限らない。人気カテゴリーのミニバンでも、車種やメーカー次第では格安で購入できる。
「ミニバンは基本的に需要が多いので値落ちしにくいんですが、ちょっと前のマツダ系のはギョッとするくらい安いですね。いわゆるマツダ地獄というか。今のマツダは値崩れしにくくなってるんで、1世代前のが『最後のマツダ地獄モデル』ってことになるんですかね。プレマシーとかビアンテとか。中古的には狙い目ですね」
新車の魅力は「オプションの自由度」と「保証」
一方、新車のディーラー販売員からはこのような声が聞かれた。
「一番はやはり、カラーやグレード、オプションが自由に選択できるところだと思います。色や内装の素材などが気に入っていれば、愛着も湧きやすいですし。あとは、保証やアフターサービスの面も強みになるんじゃないでしょうか」
確かに、自動車という大きな買い物をするにあたり、「保証」は無視できない要素だろう。中古車の保証は多くの場合、「走行に関する機関」に範囲が限定されており、たとえば「購入してから傷に気づいた」というケースに対応がなされるとは考えにくい。売る側としてはある程度劣化した状態を前提とした価格設定をしているのであるから、よほどの欠陥がない限り「客側も納得済み」ということになる。
そもそも保証制度を設けていない業者も存在する。「保証外の修理で想定よりも出費がかさむ」というリスクは、どうしても中古車の方が高くなるだろう。
車に興味がない人ほど、購入方法には注意すべき
結局のところ、「新車・中古車どちらがよいか」という問題に、決まった答えは存在しない。とはいえ「なんとなく安いから」という理由で中古車を選べば、長期的に見て「安物買いの銭失い」になることもある。一方で、漫然と新車を選んだはいいが、その車種が中古車市場では驚くほど安く売られていることに後から気づく、ということもあるかもしれない。
もちろん、「損得だけで車を選ぶなんてナンセンス」といった考え方もあるだろう。けれども、「車にあまり興味がない」という人にとっては、こうしたコスパを考慮しながら余計な支出を抑えていく、という観点も有用なはずである。