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写真を「30枚送れば電話、50枚送れば会える」

 保護者の知らぬ間に、SNSで18歳未満の児童が事件やトラブルに巻き込まれる事案が後を絶たない。

 2017年10月に発覚した座間連続殺害事件において、SNSに自殺願望等を投稿するなどした女子高校生3人を含む9人が殺害されたことも記憶に新しい。判決が確定した白石隆浩死刑囚(30)は当時「死にたい」などの投稿をしていた被害者らに接触していた。

写真はイメージ ©iStock.com

 SNSをきっかけとした事件の被害児童数は近年増加傾向にある。警察庁が公開している資料『令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況』内「SNSに起因する事犯の被害状況」によれば、犯罪被害に遭う児童の数は平成23年(1085人)から令和元年(2082人)まで、概ね増加の一途をたどっている。特に注目すべきは、児童ポルノ禁止法違反の被害児童数。平成23年(217件)と比べ約3倍(671件)に増加した。刑法犯の検挙人員自体は減少し続けていることを考えれば、この事態がいかに深刻か分かる。

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「ワタナベマホト」の名前で活動していた元人気ユーチューバーが、自身のファンだったという当時15歳の女子高校生にスマートフォンで裸を撮影させ、そのデータを送らせた事件も大きく報じられた。「30枚送れば電話、50枚送れば会える」とファン心理に付け込み裸の写真を要求しただけでなく、口止めのためか、学生証の写真も送らせていた。

“神待ち”の女子児童をホテルに誘い出す事件が増加

 SNSを介した児童のトラブルは、日本だけでなく世界的に増加傾向にある。今春公開された映画『SNS-少女たちの10日間-』は、未成年の少女たちがSNSに登録すると何が起こるのかを検証したチェコのドキュメンタリー作品だ。オーディションで選ばれた18歳以上の女性3人が12歳という設定でSNSを始めたところ、わずか10日間の撮影期間中、2458ものアカウントからコンタクトがあり、その多くが、自身の陰茎の動画像を送りつけるなど、性的加害を加えていた。同作はチェコでの公開後に大きな話題となり、警察も捜査に乗り出す事態に。今年3月下旬時点で52人の男性と1人の女性が捜査を受けており、既に8人が裁判で有罪判決を受けた。

 日本ではSNSに家出願望を投稿する、いわゆる“神待ち”の女子児童に、男が連絡を取ってホテル等に誘い出す事件の増加も報じられた。背景には新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛やネットカフェ等の休業で、家庭に事情を持つ少女らの居場所が失われたこともあるといわれる。元埼玉県警捜査一課デジタル捜査班班長の佐々木成三氏は「チェコの映画と同じような現状が日本にもある」と危機感を募らせる。