家の前にタムロして「出て来いよ、ぶっ殺すぞ」
2人からの遊びの誘いを断ろうとしていても、LINEのメッセージが膨大に届く。
〈あさだよぉぉぉぉぉぉぉお〉
〈起きてー!!!〉
〈今日あそぶんでしょぉぉぉおぉぉお????〉
〈集合11時だよぉぉぉぉぉおぉ〉
〈ねぇぇぇぇえぇぇえええ〉
〈もっ、もしかして寝坊???〉
〈ねぇぇぇぇえぇぇえ〉
〈しゅうごうもうすこしだよぉぉぉおぉ???〉
この他にも、中1の女生徒の言葉とは思えないヤクザまがいの恫喝がえんえんと送られて、大量に同じスタンプを連打で送りつける“スタンプ爆弾”が行われることもあった。
〈無断で切ってんじゃねぇよ〉
〈どこおるんや〉
〈ごみ〉
〈まじで調子乗んなよ〉
〈返事しろ〉
〈おい返事しろ馬鹿が〉
サユリの家の前にミカとユイが先導した集団でタムロして「出て来いよ、ぶっ殺すぞ」などとプレッシャーを加えたり、仲のいい先輩とサユリが一緒にいることを知ると、その先輩に電話がかかってきて「サユリ、今どこにいますか?」と追跡してくることもあった。
ストーカーのように粘着質で、支配的な2人の意に反する行動を取れば、何をされるか分からない。サユリは嫌々ながらも、従うしかないという洗脳状態に陥っていったのだ。
「ここまでの証拠を集めたのなら、次は学校側にぶつける段階です。いじめの内容から考えて重大事態になるのは間違いない。教育委員会に第三者委員会を設置して、調査報告書を作成するよう求めるようにお父さんにアドバイスしました」(阿部氏)
ようやく学校側は動き始めたが、その対応には不可解な点が多かった。ミカとユイをはじめとする9人の加害生徒達には30分程度の聞き取りしかしなかったのに対して、サユリには1回4時間もかけて、7回も聴取を行ったのだ。
それは聴取というより説得というべきもので、「お金を出したお前も悪いんじゃないか。あまり大ごとにするものではない。ミカたちのことを許してやってほしい」という話をされたという。