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──もはや一種のクレーマー、カスタマーハラスメントですね。

松本 非常識な客も目立ちます。引越し作業では荷物の搬出・搬入時に客に立ち会ってもらいますが、ある20代の男性は午前中に搬出に立ち会ったあと、いつまでたっても引越し先に現れず、携帯電話も通じない。結局その客が来たのは夜9時過ぎでした。

 しかも、謝りもせずに部屋に入ると、そのまま一向に出てこない。インターホンを鳴らして「荷物はいいんですか」と聞いても「勝手に入れておいて」みたいな態度なので、さすがにキレそうになりました。こういうタイプの客もすごく増えています。

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食器棚にあらゆる種類のバイブレーターが…

 大手引越し業者でアルバイトしている新藤友保さん(仮名、27歳)は、松本さんのケースとは違う意味の困った客に出会ったことがある。30代前半と思われるひとり暮らしの女性の引越し作業をしたときに、“逆セクハラ”を受けたというのだ。

──その逆セクハラとはどういうものだったんですか。

新藤 引越し作業する際は最初に部屋に入って搬出経路を確認するんですが、ダイニングに置いてある食器棚を見たら、ありとあらゆる種類のバイブレーター、ローター、ウーマナイザーがきれいに並べてあったんです。人間の顔くらいある大きなバイブもあったので、おそらく古今東西の女性用アダルトグッズを世界中から集めたのでしょう。

 なぜ飾られたままになっているのか意味不明なんですが、そのまま運び出すと食器棚や中身が破損するかもしれない。そこでリーダーの作業員が「なかのモノを抜いてもらわないと運べないのですが」と伝えたら、現場がものすごく変な空気になって……。

──つまり、その女性客はわざとバイブを見せて反応を楽しんでいる?

新藤 それ以外に考えられません。そうでなければ、なぜバイブを梱包しないでそのままにしているんでしょうか。引越しのアルバイトには高校生や大学生が多いので、そういう若いバイトをからかって楽しむ女性客がたまにいるんです。コロナ禍で外出できず、遊べないせいなのかもしれませんが、とくに最近そういう話をよく聞きますね。