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 そう、そこには業界に生き残ることができる一握りの少女ら(レギュラー)を生かすために、多くの少女らから最大限搾取し、ふるいにかける構造が確実にあった。

『アンダーズ〈里奈の物語〉』より ©文藝春秋

コロナ禍でセックスワーク業界は人余りの状態

 なお、コロナ禍の中にある昨年と今年においては、そうした状況が一気に悪化しているとの声も聞く。

「アンダー(未成年)は、やっぱり緊急事態宣言とかテレワークで親が家にいるのがヤバくて逃げてくる子が多くて、例年の夏休み前の面接ラッシュが、昨年の5月ぐらいからずっと続いてる状況ですよね。

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 でも何年も前から未成年雇うほど根性ある業者の方が少ないんで、面接してもよっぽど手堅くやれる子じゃない限りリリースされて、ほんと雇用条件とかがヤバい業者しか行き先がない。SNS通じて女の子らだけでやってるグループがあるのがちょっと救いですけどね」

 と、援デリ関係者。そもそもこのコロナ禍の中、セックスワーク業界全体に人余りの状態が常態化しつつあるという。

©︎iStock.com

「嬢余りでしょ。キャバの大衆店とか企業体力のないとこから風俗に人が流れて、もともとの嬢に客つかなくなってウリ(管理売春)の方に流れるでしょ。あとここんとこ、オリンピック絡みかと思うけどピンサロとか店舗でやってるところの摘発が何件か連続して(※報道では確認はできなかったが)、嬢がビビって援デリ業界に入って、ウリの業界も人余り。

 客の男もやっぱ自粛自粛で寂しいやつが多いのか、単に抜き目的じゃなくて、ラブホで酒飲んでトーク中心のイチャラブ希望みたいなのが多いんです。そんなんキャバ嬢が流入してきたら従来の嬢とかアンダーの子なんかは、勝負になんないでしょ。そもそも未成年狙いの客は、万が一コロナにかかった時にどこでかかったか調査されるとか、買ったアンダーの子がコロナになったら自分も濃厚接触者じゃないかとかでビビっちゃって全然動き悪いんで」

 これはもはや状況悪化というより、混乱状態。しかも未成年の少女らにとってはより過酷な状況となっていることが推察できる。