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夏休みになると「援デリ」の面接ラッシュとなる 業者が語るもっとも重要な“採用基準”とは

コロナ禍ではすっかり混乱状態に…

2021/07/21
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限られた買春客を奪われたくない

『アンダーズ〈里奈の物語〉』第11話では、未成年を使う管理売春組織のリーダーとなった主人公・里奈が、新人候補の少女らを面接する際に「高額バイト気分なら今すぐ眼中から消えてくれな!?」と言い放つシーンがある。

©文藝春秋
『アンダーズ〈里奈の物語〉』より ©文藝春秋

 

 営業エリア内で引ける限られた買春客を、生き延びるために売春を続ける仲間たちから奪わせたくない、実際にその言葉は主人公のモデルとなった少女の言葉でもあるが、いわば彼女の選択は「レギュラーの職域を侵す子はそもそも市場から排除する」だった。

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 それは正義のように見えて業界的には微妙にズレていて、自己責任と自助努力が最優先されるその世界では批判の対象にもなる行動だ。だからこそ、その行動は周囲(特に作中の茉莉や冬美のようなレギュラー嬢)からすると、英雄じみて映ったのだと思う。

アンダーズ〈里奈の物語〉 1

鈴木 大介 ,山崎 紗也夏

文藝春秋

2021年6月24日 発売

夏休みになると「援デリ」の面接ラッシュとなる 業者が語るもっとも重要な“採用基準”とは

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