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“高校野球大好き”楽天・安樂智大が語った甲子園の魅力と球数問題

文春野球コラム ペナントレース2021

 東北楽天ゴールデンイーグルスがいい感じである。91試合終了時点で首位オリックスとは1.5ゲーム差の2位。2ゲーム差で追っかけてくるロッテとソフトバンクもいるが、位置取りとすればまるで東京五輪陸上5000mで金メダルを獲得したチェプテゲイ(ウガンダ)のそれと酷似している。残り一周を55秒で走った彼のスタミナとスピードは一旦置いといて、現時点で完璧な位置取りである事は間違いない。

 そしてそんなチームにおいてここまでの戦いMVPは誰だ?と聞かれたならば迷わず答えるだろう。

 安樂智大だと。

 33試合に登板し3勝0敗12ホールド防御率1.06。昨シーズン両リーグ最多の32試合の逆転負けを喫したチームにおいて縁の下の力持ちとして先発投手から受け取ったバトンを時にはイニングをまたぎながら後ろへ繋ぐ難しい役割を今シーズンは完璧にはたしている。

安樂智大

衝撃的で未だに忘れられない安樂との高校野球トーク

 2014年ドラフト1位で入団、ルーキーイヤーから先発投手として一軍デビューを飾り、イーグルスの投手しては初の高卒新人初登板初勝利をやってのける。翌年は先発投手として3勝5敗と負け越したものの御率3.42とし、3年目での開幕ローテーション入りへ順調に成長してきた。

 迎えた勝負の3年目、開幕直前に大腿二頭筋をケガ、翌年には右肩を痛めてしまいまさかの苦しいプロ野球生活を歩む事となる。しかし昨シーズンの中継ぎ転向がバッチリはまり、今シーズンはご覧の通り大車輪の活躍である。

「今年はどこが強そうですか?」

 1週間ほど前、その安樂選手からラインが届く。

 突然何?とはならない。

 普段は頻繁に連絡を取り合う事はないが、毎年この時期だけは必ず確認の連絡がはいるのだ。そう現在阪神甲子園球場で行われている第103回全国高等学校野球選手権大会の事である。実は彼も僕と同じく高校野球が大好きなのだ。

 好きだと言っても彼自身が語られる側だから、と最初は甘くみていた。

安樂「僕2007年の夏が好きなんですよー」
かみじょう「がばい旋風! 佐賀北vs広陵の決勝の年ですね」
安樂「あの大会で島内さん率いる星稜の1回戦の相手覚えてます?」
かみ「確か……長崎日大?」
安樂「そうです。ピッチャーの名前は?」
かみじょう「えーと、あの左の……」
安樂「浦口さんねっ!!」

 数年前の会話が衝撃的で未だに忘れられない。そう、アメトーーク高校野球大好き芸人にいてもおかしくないレベルだ(笑)。

 初めて見た試合が2003年夏の甲子園決勝、常総学院vs東北で、その翌年の選抜で地元済美が初出場初優勝でどっぷりハマっていったのだという。