「女風での接客ってこちらが性器を出す必要性は必ずしもなくて。僕は基本パンツを穿いたまま施術します。舐めたい、触りたいっていうお客さんも中にはいるけど、そういう人は少数なので。けど、こちらが攻めている時に僕が勃起しているかを気にする女性は多いですね。『私、まだ女としてイケる?』ってところを、相手が興奮しているか、勃起しているかで確かめようとしている感じです。こちらとしても営業で『可愛いよ』『興奮した』とかいうんですけど、勃起してないとやっぱり信憑性がないので。連続の時は勃起薬飲んだり、挿入しなくてもそういう気づかいは必要です」
女性用風俗は男性向け風俗以上に心を消費される
「僕は人間関係をうまく作るのがとにかく苦手で、就活をしたけど会社で働いていける気がしなくて。とりあえず生活のために夜の仕事、って考えたときにホストと違ってセラピストなら1対1だし、施術中は喋らなくていいかな…と思って面接を受けました」
大手の女性用風俗店に面接を受けに行ったナツキさん。講習費という名目で適当なアドバイスと、実際に50代の大柄な女性への施術を行い、講習料として7万円を支払ったのちにセラピストとしてデビューした。
「施術自体は作業みたいなものなので嫌悪感はありません。高齢の方だと肌の水分がなくて、マッサージしていくときに手が削られるくらい。女体もだんだんただの『肉』みたいな感覚になるので、ムラムラしたりはほとんどありません。現役のAV女優が来た時も勃起すらしませんでした」
そんな彼が施術以上に辛いと零すのが、女性客の「心のケア」だという。
「今はセラピストが増えすぎていて、自分からTwitterのDMとかで営業をかけたり、写メ日記を更新しないと客が全くつかない。指名してくれてからも連絡を毎日取ったり定期的にケアしないとリピートにはつながらない。時間外労働が多すぎるし、中には時間外に電話をかけてくる人もいる。それだけ頑張っても時給は5000円以下って考えると、本当に安い仕事だと思います」