7月13日、筆者はオリンピック取材のために久々に日本に帰国した。
成田空港に到着すると、まず一般入国者が先に飛行機を降りるように指示があり、15分ほど経ってからオリンピック関係者が降りるアナウンスが流れた。
ゲートを出ると、待っていたのは防護ガウンに身を包んだ空港スタッフたち。同じ飛行機に乗っていたオリンピック関係者が一列に並び、スタッフが1人ずつ書類の確認を行う。来日しているオリンピック関係者から複数の陽性者が出ていることもあり、マスク、防護ガウン、そして人によっては使い捨てゴム手袋やフェイスシールドをつけている。
「東南アジア系の職員が多い」
その光景にも驚かされたが、何より気になったのはスタッフに外国人が多く含まれていたことだ。
筆者よりも先に帰国した日本人の友人から「東南アジア系の職員が多い」と聞いてはいたが、実際に目の当たりにすると見慣れない光景にやはり驚く。コロナ前には空港職員に東南アジア系の方はほとんど見かけなかった。
オリンピックを前に日本の水際対策が強化されていると聞いていたが、実際の空港を通過して、懸念は一気に膨らんだ。
筆者は普段はアメリカでスポーツ取材をしているが、東京オリンピックの取材申請もフリーランスで申し込んだので、当初は一般入国の手続きで帰国しようとしていた。しかし窓口で書類の職業欄を見たスタッフに「オリンピックですか?」と聞かれ、「取材です」と答えたところ、海外在住でオリンピック取材のために帰国する日本人のケースは少ないようで、一般入国者のレーンとオリンピック関係者のレーンをたらい回しにされて2往復し、結局入国までに6時間を要した。
その際、一般入国者レーンのスタッフはほとんどが日本人で、オリンピック関係者のレーンのスタッフは日本人と外国人スタッフが半々ほどなことに気がついた。
オリンピック関係者レーンで手続きを待ちながら担当してくれた20代の東南アジア系の女性と話をしていると、彼女は昨年、就労ビザを取得して来日。現在はオリンピック・パラリンピックのために派遣スタッフとして雇われた120~150人ほどの1人であることがわかった。彼女の他にもバングラデシュや台湾、中国など多くの外国人スタッフや留学生が集められているという。