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「アメリカの聖地に呼ばれている?」

 2012年、場所はアメリカ。ネイティブアメリカンの聖地であるシャスタ山を訪れることになる。

 それはたまたまだった。別に聖地だから行ったわけではなく、まわりでやけに、シャスタ、シャスタっていうから、「これ、呼ばれてる?」と思ったのだ。

シャスタ ©iStock.com

 聖地の特徴のひとつに、自分の意思で、ではなく、呼ばれる、というのがある。招かれざるものは、なかなかたどり着けない。船が欠航とか、なにかしらの障害があって結果いけないということが多いそうな。

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 でも、招かれている場合、そのサインがたくさんくる。

ヘアメイクさんが、何気なく「なんかさぁ、シャスタって行って見たいんだよねぇ」。

 とある有名ミュージシャンが「今度家族で、シャスタに行くんだー」。

 きわめつけは、羽田空港で、すごくきれいな山の看板があって、よくみたら「クリスタルガイザーの採水地、シャスタ」とあった。

 ギャーーーである。

 こうなると、行かねばと思い込みの激しい私は思う。

1席だけ、って、これ、呼ばれてるでしょう!

 個人旅行なのでガイドを頼もうとネットで調べ、その方に連絡したら、

「え? 来週? そんな急に来る人いません。せめてエアのチケットとれてから連絡してください」

 と無下に断られる。それもそうだとHISに電話したら、

「1席だけあります」

 と言われてまた、ほらほらほらぁ! と思うのだ。1席だけ、って、これ、呼ばれてるでしょう!

©iStock.com

 しかも当日、なんとオーバーブッキングで、あれ? 呼ばれてない? と思ったら、カウンターのかたが、

「申し訳ないのですが、エコノミーがオーバーブッキングで、ファーストクラスでもいいでしょうか」

 というのだ。呼ばれてる! すごい呼ばれてる!

 私は人生後にも先にもはじめてのファーストクラスで聖地に向かった――(#2へ続く)。

 6月に発売されて話題になっている大宮エリー氏の2冊の写真集「SACRED SPACE」「SHASTA」。2020年、自らの癒やしとスピリットチャージのために訪れた、長野県・諏訪大社と北海道・洞爺湖。そして2012年に訪れた米・カリフォルニアの聖地とされるシャスタ。様々なパワースポットで大宮氏が撮影した写真が納められています。

大宮エリーさん ©文藝春秋

 彼女はこう話してくれました。

「写真集ですが、そこにはそれぞれの場所の解説が書いてあります。写真は窓です。その場所とつながるような気持ちで、ぱらぱら見てもらえたら。よく撮ろうとしたのではなく、その聖なる場所や存在が、こう撮ってくれ!と指示してきた(感じがした)のに従って、エネルギー最大になる感じで撮影しました。

 すーーっとしたらいいなあと思います。奇妙で不思議なきもちになるページもあるかもしれません。

 今思えば、2012年その地を訪れたあとに私は突如、画家の仕事がはじまったのでみなさんにも、このコロナ禍で、いろんなことが止まってしまう時代に、突如、新たな、本当に魂が喜ぶような仕事なり活動なり、趣味なり、生き方がはじまるきっかけにこの聖地がなったらいいなと思ったりしています」

「SHASTA」大宮エリー発の写真作品集

販売場所:大宮エリー公式オンラインショップ https://ellie-office.shop-pro.jp/

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。