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腰を抜かすとはこのこと。まさに日本昔ばなしの世界

 なんだかすごいなと思いながら、とりあえず横になった。が、痛くて痒くて寝れない。まんじりともできずに、朝を待ち、翌朝一番に走って隣に行くと……。

「だめだ……」

 観光バス、修学旅行のバスがいっぱい。学生さんの団体が列をなしていた。

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 朝一番でもダメだったかとがっくりきながらも一応、アドバイスされたし、久しぶりに電話繋がったし、と、三十三間堂へ。

三十三間堂 ©iStock.com

 で、混んでいる中、とりあえず、見た。1001体みた。じっくり、というよりも、せっかちな私は横目で観音様をみながら、すたすた歩きながら心の中で、切実に祈っていた。

「助けてください!」

 顔は平静なんだけど、心は必死。もちろんても合わせお線香あげて、そして、ホテルへ。

 まあ、お願いしたけど、いやぁ、しかし混んでたなあ、シャワーでも浴びるかと思って服を脱いだとき、「ぎゃーーー!」と私は大声を出したのである。

 その日をいまだに忘れない。

 腰を抜かすとはこのこと。まさに日本昔ばなしの世界。

「ない!」

 すっかり、ではないけれど、あんなに赤く腫れてた蕁麻疹が、きれいに消えている。

 そんなはずはない、そんなばかな、なのだ。だってすぐに治らないから。

 メンタルのせいでもない。すぐ治らないから。

 うーん、神通力って、ご利益って、本当にあるのだろうか。

 まさに神業を体験してしまったのである。

 思うに、誰もがそこで、というわけではなく、人にはそれぞれご縁のあるパワースポットなり聖地があるように思う。そこが、びたーんとタイミングがハマるとガチーンと神業が起こるのではないだろうか。