世にも奇妙な不思議体験。

 ゾっとすることってある。おばけ話ではなくて、その逆。笠子地蔵的な。

 最初のゾッとする旅は、京都。(全2回の1回目)

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京都 ©iStock.com

◆ ◆ ◆

「あ、じゃあ、観音様にお願いしに行ってきて」

 友人の経営する庵に滞在していたが、連日の激務のせいか、ある夜、蕁麻疹がでた。薬を飲めばいいのだけれどちょうど持ち合わせもない。疲れるとすぐ蕁麻疹が出る。それもお腹から帯状に、赤くブツブツになって、それが熱を持って痒くてそして痛い。熱い。

「やばいな」

 そして私はそっと友人宅をでた。

「急な用事を思い出して、急遽東京にもどります!」

 でも本当は、友人を心配させたくなかったから、ホテルに滞在することにしたのだ。

 リッチな気持ちになりたいご褒美旅の時に泊まる、ハイアットリージェンシー京都。

 チェックインして、藁にもすがる思いで、その、なんか目に見えないものが見える友人に電話。だいたい繋がらないのだけれど一発でつながる。

京都駅前 ©iStock.com

「すごいやばいんだけど……」

 すると友人は、

「あ、じゃあ、観音様にお願いしに行ってきて」

 え? 観音様? なに? どこにいるの?

「三十三間堂とか、いるじゃん」

 そんで電話は切れた。

 なんだよそれーと思いながら、三十三間堂に翌朝行くかと、痛みに苦しみながら検索したら、

「うわぁ!」

 隣だった。ハイアットリージェンシー京都の住所ってすごい。三十三間堂廻りなのだ。