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まずは南側に出てみよう
我孫子駅の付近では線路は東西に通っている。そのため出入り口は北側と南側に分かれる。まずは南側に出てみよう。
我孫子駅の駅舎は、終着駅というわりには小さい。そして小さい割にはお客が多い。平日の昼間、灼熱の日でも老若男女が絶えることなく行き交っている。
橋上駅舎から南口に出ると、緑豊かに木々が植えられた中央島のあるロータリー。その周りには駅の中にはなかったNewDaysやターミナルのお供・ドトールコーヒーなどがある。
そしてロータリーから先にはまっすぐ南に向かって目抜き通りが伸び、その両脇もキレイに植樹された並木道。ちょっとしゃれ込んだお店もいくつかあって、とにかく駅前なのに“閑静”な雰囲気なのだ。
この駅前の並木道の名は「公園坂通り」という。ほどなくして国道356号とぶつかって並木道は途切れてしまうが、公園坂通りとしてはまだまだ続く。公園坂というからには公園がその先にあるというわけで、終点は手賀沼のほとりの手賀沼公園だ。渋谷の公園通りを歩けばマルイから代々木公園に着くが、我孫子の公園坂通りは手賀沼のほとりである。
江戸時代から干拓事業の対象となっていた手賀沼
この手賀沼と公園坂通りは、我孫子駅とその街の歴史の生き証人のようなものだ。手賀沼は江戸時代から干拓事業の対象となっていたがこれはなかなか成就せず、たびたび洪水にも悩まされてきたという。
いっぽうで、古くからウナギの産地として知られていて、よく江戸にも出荷されていたようだ。江戸前のウナギは我孫子によって支えられていたということか。