そもそも「除湿」ってどんな機能なの?
そもそもエアコンの除湿は、エアコン内部を冷やし、そこに室内の空気を通すことで、冷たいコップに水滴が付く結露という現象を使って行っています。しかし「エアコンの内部を冷やす=冷房」なので、除湿にするとエアコンからは冷たい風が吹き出し続け、部屋はどんどん寒くなってしまいます。
そこで「再熱除湿方式」では、エアコンの半分を除湿のために冷房運転にして、もう半分を暖房運転にして吹き出す風を暖めています。つまり、冷房と暖房を同時に行うので、電気代が高くなるのです。でもメリットもあります。ぜんそくやご高齢の方は、温度変化によって体が辛くなることがありますが、再熱除湿方式であれば、電気代は高くなるものの、湿度だけを下げて室温は一定に保つことができるのです。
一方、電気代の安くなる「弱冷房方式」は、エアコン内部は同じように冷やしますが、送風を極微弱にすることで、冷たい風を感じにくくさせています。「再熱除湿方式」のように暖房運転を行わないので電気代は安くなりますが、やはり僅かに冷風は出ているわけなので、長時間使っているとどうしても部屋の温度はだんだん冷えてしまいます。しかし、電気代を抑えながら、効率よく除湿できるということで、東日本大震災以後のエアコンの多くではこの方式が採用されているのです。
「弱冷房方式」と同じ状態を作る方法
ただ、自分の家のエアコンがどちらの除湿方式なのかは、説明書や型番からインターネットで調べないと、なかなか分かりません。そんなときは「冷房運転」にして「設定温度を27℃」程度以上にします。設定温度に近づくとエアコンはごく弱い冷房運転に変わりますが、これは実質的に「弱冷房方式」と同じ状態と言えるのです。
「冷房運転」にして「風量を最小」にすることでも、同じ状態が作れます。例えば、「寝るときは除湿だけしたい」という場合は、この方法を使って2時間以上タイマー運転をするといいでしょう(なぜ2時間以上かは後ほど)。
冷房をゆるくかけて除湿すると「足元ばかり寒くなる」という弱点があります。寒さを感じる場合は、扇風機やサーキュレーターを天井に向けて、空気を攪拌すると快適になるはずです。