喫茶店の定番メニューとして長年愛されている“クリームソーダ”。緑色のメロンソーダの上にバニラアイスと赤いチェリーが載っている飲み物を思い浮かべる人も多いだろう。

 昭和レトロなイメージが強いクリームソーダだが、令和の今、若者の間でブームが到来しているという。専門店で色とりどりのクリームソーダを飲むのも乙だが、オリジナルのクリームソーダを作って楽しむファンもいるらしい。(前後編の前編/後編を読む)

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思い出のクリームソーダ

 SNSでオリジナルのクリームソーダを発表しているtsunekawaさんは、クリームソーダへの愛をこう語る。

「僕には、クリームソーダの“好きな部分”がふたつあります。ひとつは、祖父母との思い出です。幼い頃、祖父母の家に泊った翌日の朝は喫茶店に行くのが定番のコースでした。

 祖父母の家が愛知県にあり、モーニング文化が根付いている地域だったので、早朝6時くらいには喫茶店が開いてるんです。朝も早いしすごく眠いんですけど、その店の緑色のクリームソーダを飲むと目が醒めたんですよね。今でも、クリームソーダを飲むと当時の記憶と懐かしさがよみがえります」

 その後、大人になったtsunekawaさんは、再びクリームソーダに出会う。

「友人とクリームソーダを作って遊んでいるときに、青色のクリームソーダを作ったんです。必ずしも緑色じゃなくてもいいと知って以来、さまざまな種類のクリームソーダを作るようになりました」

 彼のクリームソーダはすべて作品。SNSにはクリームソーダの写真がたくさん投稿されている。tsunekawaさんのツイッターを見て、クリームソーダに興味が湧いた人もいるのではないだろうか。

クリームソーダで表現した旅の思い出

 そして、もうひとつの魅力は“旅”にある、とtsunekawaさん。彼は全国各地を巡って「旅する喫茶」と題した出張型の喫茶店をオープンし、お客さんにオリジナルのクリームソーダを振る舞っているという。

「旅の思い出をクリームソーダで表現する楽しさも魅力ですね。もともと旅をするのがとても好きで、旅先で見た鮮やかな空の色合いや、青から赤へのグラデーションなど美しい瞬間を写真に撮っていました。今は、旅先でクリームソーダを作って印象深い風景と一緒に写真を撮っています」

夜空のクリームソーダ ©tsunekawa
©tsunekawa
紫陽花をイメージしたクリームソーダ ©tsunekawa

 そして2021年3月には、念願だった実店舗の喫茶店を東京都杉並区にオープン。コロナ禍でのスタートだったが、土日にはすぐに予約が埋まるほどの盛況ぶりだ。