「現代日本の文化」をフランスに伝えるコーナーには手応えあり
それでも、「JO CLUB」でプロデュース(制作・出演)をしている自身のコーナーには手応えを感じている。「まさにオリンピックのハイライト番組で現地時間夕方6時~7時の放送です。私はラスト5分に登場し、事前に作ったVTRで日本や東京の文化を紹介するのです。J-POP特集で東京事変(椎名林檎)のインタビューや、黒川紀章のNAKAGINカプセル、代々木上原の有名なラーメン店『蔦』など、現代日本の文化を幅広く全国のフランス人視聴者に紹介しています。今、番組は視聴率20%以上の人気ですし、私という存在がフランス国内で多くの人に知られる機会になりました」
実はこの出演機会も、自分を売り込む努力でつかんだ賜物だったといい、今後は日本を離れてフランスで活動していくことも視野に入れているという。
「私はWOWOWのリポーターとして毎年、テニスの全仏オープンに行っていますが、いつも隣のブースがフランス国営テレビで挨拶に行っていました。で、東京オリンピック開催が決まった頃から、『期間中に何かの形で手伝ってほしい』と言われ、この番組につながりました。そして、私の作ったVTRとリポートも反響が大きいので、東京オリンピックを日本での集大成にして、これから母国で仕事をする希望を持っています」
3年後のパリオリンピックは大丈夫か
思えば3年後の2024年には、パリオリンピックが開催される。特殊な形で開催された東京大会をきっかけに、オリンピックの在り方を再考する流れを感じてか、フランスのマクロン大統領は、7月25日付の「レキップ」で、パリオリンピックの開会式をセーヌ川で行う考えを明らかにし、「全ての人に開かれ、ユニークな体験を生み出す式にしたい」などと語っている。果たして、パリオリンピックはどんな状況で開催されるのか……。
ダバディ氏は、その際に現地入りした日本を含む海外のメディアが、ホテル、移動、食事や移動で不満を漏らすことがないように祈りつつ、「視察に来ているパリ2024関係者曰く、東京2020の競技場はみな最先端で、全てにおいて機能性が素晴らしい。既存のインフラを使うパリは同じ高いレベルのハードウェアを提供できるのか、心配です」と話している。