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 また、『リズム天国ゴールド』はニンテンドーDSのタッチ操作を前面に押し出していたのも問題であった。人間は動作を行うときに脳から信号が発されて実際に体が動くわけだが、当然ながらそれには多少の時間がかかる。つまり、頭では認識していてもそのとおりに体が動くわけではない。さらに画面をタッチするという複雑な動作になると、動きはよりモタつく。ゆえにリズムにノりづらくなってしまうのだ。

 ゲームにおいて「コントローラーのボタンを押して操作する」のはかなり重要で、脳と体の差が小さくなる心地よく快適な操作方法だ。ゆえにリズムにノる快感も前作のほうが上回っていたのである。

 結局のところ、『リズム天国』は初代で完成されすぎていたのである。その後もWiiやニンテンドー3DSで続編が出ており、それはそれで楽しいゲームなのだが、やはり初代が完璧すぎた。いまでも「『リズム天国』がオンリーワンでナンバーワンなゲーム」といえるのはそれが理由だ。

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『リズム天国』の次回作はありうるのか?

 つんく♂氏は、Nintendo Switchでの『リズム天国』最新作の制作に意欲的であるといった発言をTwitterで行っていた。確かに『リズム天国』シリーズの新作は望まれているものであるし、発売されれば注目作になるだろう。

 とはいえ、『リズム天国』はすでにやりきった印象もある。初代の時点で完成したゲームであり、ニンテンドー3DSで発売された『リズム天国 ザ・ベスト+』もまさしく決定版といえる内容。新作を出すのであれば、“リズムを楽しむまったく新しい要素”が必要になってくるのだが、それを生み出すのは容易ではないだろう。

 いずれにせよ、『リズム天国』はゲームの歴史に残るほど革新的で、さらに一作でほとんど完璧に近いものを作ってしまった驚異的な作品といえる。発売から15年経ったいまでもその体験が忘れられないほど。私もまた15周年という節目に、ゲームボーイアドバンスを引っ張りだしてしみじみと「ナイトウォーク」を遊びたいと思う。