——「面白いために必要だからこれをやる」という方向に変わってきた。
中野 そうです。今は。
衣装の数は1000着、仕入先は……
——ちなみに「一周」するのに衣装は何着ぐらい必要だったんでしょうか。
橋本 1000はあるかな。もっとある? 全部を使ったわけでもない。
中野 でも、年間300着ぐらいは使ってると思います。
——あの特徴的な衣装はどこで買うんですか? いろんなタイプの衣装がありますよね。
中野 印象的なものが好きなんです。そうなると、人が一回着てたものがいい。人のタンスが一番よくて。
——人のタンス(笑)。
橋本 盗みに行ってるわけじゃないですよ……言葉がすげえ足りてない。
中野 すみません、人と久々にしゃべるんで(笑)。でもドラマがあるじゃないですか。この服、どういう意図で買ったんだろう、みたいな。なので、大手の古着屋さんではなくて、浅草の裏路地にある古着屋さんとか。今はメルカリが一番多いかな。
——なるほど。
中野 でも「こういう衣装欲しいな」と思ってAmazonで調べて、一番上に出てくるのはなるべく避けるようにしてます。
橋本 結構人とかぶったりするもんね。
——人とかぶりたくない。
中野 そうですね。キャラクターデザインを大切にしているので。
——買う時にはもう、コントの構想があるんですか?
中野 ネタを作ってから衣装ですね。でも、大体作ってる時に「ああいう色味で」っていうのは考えていて、実際に衣装を合わせるのはネタができてからです。
——すごいですね。本当に自分たちを客観的に扱えるわけですよね。
中野 どこか、ここら辺で(空を指さして)自分たちを見て動かしてる感じかもしれないです。着たら人格が本当に変わって勝手にしゃべってくれるんで。だから緊張しないんです。こいつ(キャラクター)のせいだと思ってるんで。スベっても。
橋本 そうそう(笑)。
——それで言うと、今日のお洋服、ちょっとギャルっぽい感じですけど、これは私服ですか?
中野 私はすごくコンセプトを作ってやるのが好きで、これは今はまってる地雷系のイメージです(笑)。
橋本 変身願望とか妄想とかそういうのが強いよね。
中野 私という人間が面白くないんですよ。だから、効果を使って、小道具でごまかしてる。
上手に喋れない、みんなができることができない
——今までも色々なインタビューで「自分たちは面白くないから」ということを話されてますよね。
橋本 言います、言います。
——こんなすごいネタを作り続けるのに、なぜ自分たちは面白くないと思うのでしょうか……。
橋本 2日前ぐらいにライブがあったんですけど、そのライブではそれぞれが映像を持ってきて流すんですね。自分のV(TR)の番になったら「じゃあVTRどうぞ」前振りをする。
みんな上手にV振りをやっていたんですけど、私の番になった時に全く何も言えなくて。「こういう時に何をしゃべっていいのか分かりません!」って言ったらシーンってなりました。失敗笑いとかそういうのもなく、シーンとなって、やっぱりダメだな……と。