ハラスメントを防ぐために
――次回作でもトレーニングは続けますか?
はい、もちろん。リスペクト・トレーニングって1回やっただけではダメで、継続してみんなで考えていくものなんです。ハラスメントは線引きが難しい。ある人にとっては全然ハラスメントではなくても、違う人はハラスメントと受け取ることもある。相手と話をする時、ちゃんと下の人でもリスペクトしていますか? リスペクトを持っていたらどういう対応になりますか? と考え続けるトレーニング。もちろんハラスメントを起こさない保証はないけど、起こした時にトレーニングを受けていれば対応はまた違ってくるかもしれない。だから出来る限り継続していきたいんですが、ただ、お金もかかるんです。韓国では興行収入の3%ぐらいをプールして、それを人材育成やそういうトレーニングに当てているんです。日本では自前でやるしかないんですけど、本当は日本もそういうふうになってほしいですね。
エンタメは心のサプリになりえる
――コロナ禍でエンタメが打撃を受ける状況下で、監督がエンタメを作り続けていく意義とは?
現実世界と違う世界を体験できるのが映画という一面もありますし、コロナ禍だからこそ、こういうジャンル映画が頑張るべきなんじゃないかと思っています。前作も含めて本作には残酷な描写もあるし、息もつかせないけど、観終わったら元気が出ましたと多くの人に言われました。エンタメにはそういう力があるし、心のサプリになりえるんだと感じましたね。本作を撮影していた時、コロナ禍の緊急事態宣言以降、最初の現場だという役者とスタッフが多かったんです。だからここで暴れないと、俺ら一生暴れられないかもしれない、そういう思いを感じていただけると思います。
しらいしかずや/1974年、北海道生まれ。『凶悪』(2013)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で高く評価される。その他、『止められるか、俺たちを』(2018)、『ひとよ』(2019)など話題作を発表し続ける。
INFORMATION
『孤狼の血 LEVEL2』
8月20日(金)全国公開
配給 東映
©2021「孤狼の血LEVEL2」製作委員会
https://korou.jp/