──これまではアシスタントなしで描かれていたのですか?
久世 はい。全部自分で描いていました。そもそも、自分自身がアシスタントをやった経験もないので、アシスタントがどういうもので、どういうふうにやっていただいたらいいのかわかりませんでした。なので、担当編集さんにいろいろ聞きながら進めたのですが、あっという間に慣れて、もっと早くお願いすればよかったと思いました(笑)。
いまは20ページ前後だったら、だいたい1週間くらいで描いています。『ニラメッコ』の2話目以降はアシスタントさんにお願いしているので、背景のクオリティも上がりました。
ただ、コロナ禍ということもあって、やりとりはすべてデータとLINEのみ。いまだに直接お会いしたことがないので、コミュニケーションには苦労しています。メールの文面も、気さくな方がいいのかビジネス調の方がいいのか迷うことが多く、絵文字やスタンプを多用して感情が伝わるように工夫しています。
『ニラメッコ』のアニメ化は…?
──2021年7月から『うらみちお兄さん』のTVアニメ放送が始まりました。こちらも裏話などがあれば教えてください。
久世 まさかアニメ化されるとは思ってもおらず、歌詞をすごく適当に書いていたので、アニメ化が決まった時は焦りました。主人公の表田裏道役を演じてくださった声優の神谷浩史さんからも「変な歌詞を書くから、絶対作曲家の人たち大変だろうな(笑)」と、愛情タップリのご指摘を受けましたが(笑)、最終的にはすごくいい歌ができて感激しました。
──『ニラメッコ』の1巻発売記念では、声優の遊佐浩二さんが水吉令(みなよしりょう)を、津田健次郎さんが朝木和(あさきやまと)を演じたPVが公開されました。『ニラメッコ』アニメ化の予定などもあるのでしょうか。
久世 自分自身では『ニラメッコ』のアニメ化なんてまだ考えてもいませんが、もしそうなったらうれしいですね。
(取材・構成:相澤洋美)