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『うらみちお兄さん』の脇役が“格上げ”

──『うらみちお兄さん』にも登場するお笑いコンビ「門真アミーゴ」が『ニラメッコ』で“主人公”に格上げされたのは、SNSでも大きく盛り上がりました。

©久世岳(白泉社)

久世 実は「門真アミーゴ」は、いつかスピンオフを描きたいと思っていたほど、思い入れのあるキャラクターなんです。2人は大阪の門真出身で、高校の時にコンビを結成しました。当時はテレビドラマ『野ブタ。をプロデュース』(2005年)が流行っていて、そのドラマから生まれたヒット曲「青春アミーゴ」にあやかってコンビ名を決めた、という裏設定があります(笑)。

ちりばめられた「裏設定」

──他の裏設定もありますか?

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久世 読者の方は気づいてくださっていますが、「門真アミーゴ」の須胡井宙太(すごいちゅうた)は、『うらみちお兄さん』に登場する“うたのお姉さん”こと、多田野詩乃(ただのうたの)お姉さんの彼氏です。2人が結婚したら「須胡井詩乃(すごいうたの)」になるんですよ。小ネタですけど(笑)。

『うらみちお兄さん』に登場する多田野詩乃は、「門真アミーゴ」の須胡井宙太の彼女 ©久世岳/一迅社

──いろいろなところに隠し技がある『ニラメッコ』は、『うらみちお兄さん』と照らし合わせながら読むとさらに楽しめそうですね。

久世 いろいろちりばめすぎて自分でも忘れている部分が多いんですが、『ニラメッコ』に出ているキャラは、『うらみちお兄さん』でもさりげなく登場しているんです。間違い探し的な感じで読み比べると、より楽しんでいただけるかと思います。

 ちなみに、『うらみちお兄さん』に登場する販売企画部の木角半兵衛という明らかにバンドマンみたいな見た目のキャラクターは、『ニラメッコ』に登場する「潮来(いたこ)」の来海(くるみ)小太朗の元バンドメンバーという裏設定があります。

「潮来」の来海小太朗 ©久世岳(白泉社)

──楽しんでいらっしゃるようにも見えますが、『うらみちお兄さん』との同時連載というのは、体力・精神力ともに大変ですよね。作風もまったく異なりますが、気持ちはどのように切り替えているのですか?

久世 内容的には、まったく違う脳みその使い方で違う観点から描いているので、とくに切り替えを意識しなくても、自然に描き分けができています。

『うらみちお兄さん』は、一つひとつのネタや笑いどころからつくり出して間をつなげていきますが、『ニラメッコ』はどういうふうにキャラクターを動かして、それをどういうふうに展開させて……とストーリーを1から積み上げていくので、混乱しようがないんです。

 それに、もともと描くのが速いので、同時連載でもいけるだろうと高を括っていたんですが、さすがに大変で。人生で初めてアシスタントさんをお願いすることになりました。