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特集神童は大人になってどうなったのか?

自己主張強めな「筑附」の神童は、大人になってどうなったのか?

自己主張強めな「筑附」の神童は、大人になってどうなったのか?

片山さつき、檀ふみ、「友人の友人はアルカイダ」の人まで

2017/11/05
檀ふみ氏

檀ふみは「S予備校」を替え玉受験

「私はM・Hさんという、東大に合格した人に受けてもらった。こうして『名門』S予備校に入ったのはよいが、わずか千円ばかりの受験料を出し惜しみ、M・Hさんが、まさかの場合にと、自分の名で出しておいた願書を使ったために、1年間、M・Hの名で通さなくてはならなかった」(「サンデー毎日」1974年4月14日号)。

  S予備校といえば、いまの駿台予備学校しかない。もちろん、不正であり、事の真相がばれたら、退学処分となる。訴えられれば罪に問われても仕方がない。檀は当時、NHKの「連想ゲーム」に出演していた。いまならば、ネットでお祭り騒ぎとなり、NHKから追い出されてしまう。檀にとって黒歴史だろうが、1970年代でよかった。

 檀は翌年、慶應義塾大学経済学部に入学した。

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「迷言」を連発する筑附神童


平川祐弘氏

 筑附出身者は思ったことをつい口にしてしまうらしい。

 2016年、東京大名誉教授の平川祐弘(1950年卒)は、首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の有識者として、天皇の生前退位について反対の立場をとり、ヒアリングの後、記者団にむかってこう話した。

「ご自分で定義された天皇の役割、拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしい」

 素直に聞くと、天皇がしようとしていることはおかしい、と聞こえてしまう。天皇の生前退位は、マスコミ各社世論調査で7割以上の国民から支持を得ている。かなり分が悪い。

 間が悪いOBもいる。東京大名誉教授の班目(まだらめ)春樹(1966年卒)だ。

 2011年3月11日、東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所で事故が発生したとき、内閣府原子力安全委員会委員長をつとめていた。事故翌日、班目は菅直人首相(当時)に、「総理、原発は大丈夫なんです。構造上爆発しません」と説明したが、数時間後、原子炉建屋で水素爆発が起こってしまう。班目は「あー」としか答えられなかった。反原発デモでは「マダラメ、デタラメ」と揶揄されてしまう。

 あまりスマートでない筑附神童話が続いたので、同校の名誉を回復しよう。