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特集神童は大人になってどうなったのか?

自己主張強めな「筑附」の神童は、大人になってどうなったのか?

片山さつき、檀ふみ、「友人の友人はアルカイダ」の人まで

2017/11/05

130年の歴史のなかで数々の神童を世に送り出した

小川是氏

 出身者には政治家より官僚のほうがはるかに多く、大物次官も見られる。大蔵省(財務省)事務次官になったのが、山際正道(1919年卒)、澄田智(1934年卒)、篠沢恭助(1955年卒)、小川是(小川は1954年附属中学卒)。篠沢は小川に次官のバトンを渡し、山際と澄田は日本銀行総裁になった。

 外交にも強かった。外務事務次官には下田武三(1925年卒)、東郷文彦(1932年卒)がいる。2人ともアメリカ大使に栄転した。フランス大使に2代続けて就任ということもあった。1999~2002年の小倉和夫(1957年卒)、2002~2006年の平林博(1959年卒)である。通産省出身の川口順子(1960年卒)は小泉純一郎政権時代、外務大臣を2期つとめた。 

 学者の世界にもごっそりと人材を送った。経済学の世界で、「東大48年三羽烏」と命名された学者たちがいる。筑附1965年卒の同級生、石川経夫、奥野正寛、岩井克人だ。1970年代に奥野はスタンフォード大、石川はジョンズ・ホプキンス大、岩井はマサチューセッツ工科大でPh.Dを取得し、近代経済学分野で最先端を走っている(石川は故人)。

苅部直氏

 ほかに社会学の吉見俊哉 (1976年卒)、政治学の苅部直(1983年卒)など、発信力が高い学者がたくさんいる。

 また、元朝日新聞記者の早野透(1964年卒)と竹信三恵子(1972年卒)、サイエンスライターの竹内薫(1979年卒)は大学で教えられるほど高い専門知識を持っている。

 筑附の歴史はやたら古い。前身の高等師範学校尋常中学科は1888年に開学した。130年の歴史のなかで数々の神童を生んできた。そして、彼らの発言を聞くだけでも楽しい。この校風はそのまま続いてほしい。

(敬称略)

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