平田竹男氏が8月13日、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局長や内閣官房参与、文部科学省参与を辞職したと発表された。辞職のきっかけとなった平田竹男氏による公私混同問題について報じた記事を再公開する(初出2021年8月7日、肩書き、年齢等は当時のまま)。
記事公開から平田氏が辞職するまでの経緯について、担当記者が8月14日(土)21時~の「文春オンラインTV」で詳しく解説する。
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文春オンラインの取材で明らかになった、“首相のブレーン”であり、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局(以下、オリパラ事務局)の最高責任者である内閣官房参与・平田竹男氏(61)の過剰優遇問題。「首相ブレーンが“オリパラ特権”で公私混同 #1」では、平田氏が約3年間にわたって、「RIZAP GOLF」で推定457万3800円に上る“ゴチゴルフレッスン”を受けていたことが判明した。(全2回の2回め/前編を読む)
信用失墜行為にあたる平田氏“高額ゴチゴルフ”
オリパラ事業に詳しい政府関係者が語る。
「RIZAPは、平田氏が事務局長を務めるオリパラ事務局の主導する『beyond2020 マイベストプログラム』の第1弾認証事業に選出されています。認証を受けたところで、直接的なメリットは少ないのですが、この“オリパラのお墨付き”をきっかけに新たなビジネスを展開していくことはできます。実際にRIZAPは『RIZAPマイベストチャレンジ』というキャンペーンを行っています」
利害関係者からの“高額優遇”について、公務員倫理規定に詳しい国際基督教大学の西尾隆特任教授はこう指摘している。
「内閣官房参与は、内閣総理大臣に情報提供や助言を行う非常勤の公務員ですので、利害関係者から金銭や物品をもらったり、接待を受けたりすることを禁止する公務員倫理規程の適用外です。しかし内閣官房に勤務する職員が、利害関係者からサービスの提供を受けることは実質的に信用失墜行為にあたると言えます」
しかし、平田氏の“信頼失墜行為”はこれだけではなかったのだ。
7月26日、RIZAP GOLFで約2時間の“ゴチゴルフレッスン”を終えた平田氏を、六本木通りで待っていたのは黒色のクラウンだった。ダッシュボードには「内閣府」と書かれた札があり、車両前後には「TOKYO2020大会関係車両」と書かれていたステッカーが張ってある。公用車であり、大会関係車両に登録された車両だ。この車に乗り込み、平田氏が向かったのは自身の執務室がある内閣府だった。
この日、取材班は平田氏がRIZAP GOLFへどのような手段で来たかは確認できていなかったが、平田氏の動向を追い続けると、“オリパラ特権”を笠に着る公私混同の実態が明らかになってきた――。