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大谷翔平(23)が語ったスケールの大きすぎる“理想の将来像” 「てっぺん…どこなんですかね」

大谷翔平(23)が語ったスケールの大きすぎる“理想の将来像” 「てっぺん…どこなんですかね」

『大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013-2018』より #2

2021/08/22

source : Sports Graphic Number

genre : ライフ, スポーツ, 読書

note

――やっぱり(笑)。

「自分のやってきたことがどの程度、正しいのか、どのくらいこちらの野球に合うのかというのはまだわからない状態なので、まずは今までやってきたことを実戦の中でやるべきだと思っています。その過程でダメなことがあったら、ダメな理由を探してみて、その原因が調整段階だからなのか、身体の状態なのか、フィーリングが良くなくてそうなっているのか、ボールが滑るからなのか、技術の問題なのか……いろんな可能性を考えなければなりません」

スライダーはすごく曲がりますし、行けると思ってます

――ボールが滑ると、スライダーが扱いづらいという話をよく聞きます。

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「そこは僕は逆ですね。スライダーはすごく曲がりますし、行けると思ってます。あとは曲がり過ぎるのをどうコントロールしていくかという、精度の問題です。むしろフォークのほうが難しい。フォークというのは、抜く感覚と引っ掛ける感覚を両方持ってなくちゃいけないボールなんですけど、そのバランスが崩れると、抜け過ぎたり、引っ掛け過ぎたりということが起きてくるので、難しいんです」

――ストレートの感覚はどうですか。

「まっすぐは、こちらのボールだと回転がかかりづらいのかなって感じがするので、高めにはすごくいいボールがいくんですけど、低めに強いボールを投げにくい。その原因がボールにあるのか、フォームにあるのか、春先の身体の状態にあるのか、今はハッキリさせられないので、ボールが理由だったときの準備もしつつ、フォームだったときの準備もしつつという感じです」

それなりに順調にはきている

――バッティングでは、飛距離でいきなり周囲の度肝を抜きました。

「打つほうについては、練習の内容に慣れてきているなという感じはしています。練習のとき、バッティングピッチャーが近いという距離感の問題や、投球間隔が短いとかテークバックが小さいというような間の問題とか、練習のスタイルがあまりにも違うので最初は戸惑ってうまくタイミングを取り切れていない感じはありました。ただ、バッティングはまだいい状態ではないですね。もともと、この時期にいい状態で、というのには無理があると思いますし、それなりに順調にはきているとは思います。

©文藝春秋

――ただ、バッターよりもピッチャーに評価が偏りがちな中、いっちょ、飛ばせるところを見せておこうかな、という気持ちもあったんじゃないですか。

「いやいや、僕はバッティング練習では強いスイングをするべきだと思ってやってますから、普段の練習と変わりませんし、アメリカに来たからどうのこうのということはありません。フォームを考えてコンタクトする練習はケージの中でもできますし、外で打つときはいつも、全部、柵を越えてやると思って、思いっ切り打ってます(笑)」