最終的にはフィーリング
――エンゼルスに感じた縁、フィーリングというものは何だったのでしょう。
「僕の感じるものがすごくスッキリしていたんです。爽やかだったというか、こういうところでやりたいと感じさせてくれたのがエンゼルスでした。いろんなチームのプレゼンを聞いて、いろんな人から僕が知らなかった情報を教えてもらって、資料を読んで、そのすべてのことを踏まえて考えたとき、最後の最後というのは、何があったからということではなくなったんです。西海岸がいいとか東海岸がいいとか、そういうことでもなかったし、僕、好きな球団もありませんでした。最終的には感覚的な話になってきた、ということなんです」
――ファイターズの栗山英樹監督が、「二刀流に対する本気度を感じ取れ」とアドバイスしたと仰ってましたが……。
「結局はそこなのかと僕も思いました。どれだけ欲しいかとか、どれだけ活躍してもらいたいかというのは、イコール、2つやっていくプロセスをどれだけ大切にしてくれるかに関わってくるじゃないですか。『ウチは2つやらせます』という言葉だけじゃなくて、それをどう継続していくかという、その先までを交渉の数日間で読み取ろうというのはすごく難しい。なので、最後はフィーリングの問題になってきたんです」
本当に慎重に、大事に大事に前へ進めようとしてくれている
――エンゼルスのビリー・エプラーGMが大谷選手のことを「走らせないで、まずは歩かせる」とコメントしていましたが、この言葉、意味合いは違っても、ファイターズの「急がば回れ」に似ていますよね。
「その言葉は僕は聞いていませんけど、でも、その言葉通りに考えてくれているということは十分、感じています。本当に慎重に、大事に大事に前へ進めようとしてくれているのをすごく感じるんです」
――アメリカに来て最初のシーズン、いきなりメジャーで活躍できたほうが楽しいのか、それともこれまでの野球が通じないと思わされたほうが楽しいのか、そこはご自分ではどう考えていますか。
「どっちですかね(笑)。自分がやってきたことにはある程度、自信を持っていいと感じていますし、こういうところでもそれは形になると思っているので、そういう(いきなり活躍したいという)気持ちは持っていていいんですけど……でも、本当のところは、何かとんでもないようなものを見てみたい、という気持ちもありますね」