シーズン後半戦に入っても失速することなく、ホームランを量産し、勝ち星を重ね続ける大谷翔平選手。メジャーリーグ史に残るほどの活躍を見せる大谷選手は、自身の挑戦の道のりをどのように思い描いているのだろうか。
ここでは、スポーツジャーナリストの石田雄太氏の著書『大谷翔平 野球翔年 I 日本編2013-2018』(文藝春秋)の一部を抜粋。2018年、メジャーリーグ挑戦当初に行った取材で聞けた大谷選手の本音を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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メジャーリーグ挑戦の決意「何かとんでもないものを見てみたい」
――アメリカの空気、慣れてきましたか。
「そうですね……練習は休みなく、毎日続きますし、内容も日本とはかなり違いますので、まだ慣れるところまではいきませんけど、でも、楽しくやれてます」
――思えば大谷選手が18歳のとき、ファイターズに入団して、沖縄の国頭で二刀流への挑戦が始まりました。あれから5年経った今、何か違いを感じますか。
「そこは感じます。エンゼルスは(二刀流について)すごくうまく、入りやすい感じを作ってくれているなと思います。ファイターズの1年目は、投げて、その後はどっちに行ったらいいんだろう、そこからどこへ行って何番目に打ったらいいんだろうという感じで、戸惑いの連続だったんですけど、今は、こうやって、次はこうして、というメニューをわかりやすく作ってくれているので、すごくやりやすいですね。(二刀流の)練習内容だったり、調整法やプランだったりがファイターズからエンゼルスに伝わっている感じもするので、それですんなり入っていけているのかなとも思います」
チームメイトとはゲームの話で盛り上がることも
――言葉についてはいかがですか。
「僕はまだ英語を喋れないので、(通訳の水原)一平さん次第になってきています。僕はYESとNOだけで(笑)」
――でもチームメイトと、いじったり、いじられたり、楽しそうにやってますよね。
「まだいじることはないですけど、いじられたりはしますね。(キャッチャーのマーティン・)マルドナードとか、よく来ますし、一緒のゲームをやってたりすると、その話で盛り上がったりしてます」
――えっ、日本でもアメリカでも共通の話題にできるゲームがあるんですか。
「ありますよ。携帯ゲームですけど……何のゲームかとかは別にいいじゃないですか(笑)。あるんですよ、そういうゲームが」