「悪い仲間とつるんでしまって、自然と…」銅線窃盗で逮捕の元EE JUMP祐樹(35)に、姉・ゴマキがかけた「言葉」

後藤祐樹さんインタビュー #2

平田 裕介 平田 裕介
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 そこへ楽をして稼げるのを知ってしまう。銅線窃盗がそうでした。夜の12時に建設現場に入って銅線を盗み、朝方4時に売ると、1トンで50万円、2トンで100万円を稼げる。当時は北京オリンピックの前で鉄や銅の需要が高かったら、高値で売れたんです。

 昼間に8時間働いて得る賃金とは、労力的にも金額的にも違いすぎる。そう考え始めてしまうと、どんどん感覚が麻痺してしまうんですね。

 

ーー最初は不良仲間に誘われての犯行でしたけど、すぐにノウハウを覚えて窃盗グループのリーダーとなって銅線窃盗を続けていきます。メンバーはどのように集めたのでしょう。

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後藤 慕ってくれてた後輩たちに声を掛けたんです。10人くらいでした。彼らとやったことは窃盗になるのですが、それを聞きつけて加わった中学の同級生2人と建設現場に入った時に、彼らがガードマンさんを拘束して殴ったことで強盗致傷事件になったんです。

ーー強盗を含めて立件された数というのは。

後藤 3件ですけど、実際はその数十倍やっています。入った現場はすべて覚えていたので、逮捕された際に、警察に洗いざらいお話ししています。

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ーーその3件以外は、立件されなかったのですね。

後藤 建築現場は保険に入っていて、被害届を出さない建築会社が多いので、立件されるまでに至らないことが多いんです。

ーー後藤さんは、出頭してからの逮捕なんですよね。

後藤 ある建設現場に入った時に警官が来て、銅線運搬用にレンタカーで2トントラックを借りてきていた後輩が、トラックを置いて逃げたんです。その借りた際の名義を辿って後輩が逮捕されたと聞いて、出頭しました。

出頭前、姉のゴマキが言ったこと

ーー出頭前に、真希さんにも事の次第はお話ししたのですか。

後藤 出頭前日に家族を呼んで、やっていたこと、出頭することを話しました。姉ちゃんは黙って聞いていて、本音はわからなかったですけど、「どれくらい家に帰れないのかわからないけど、みんなでご飯食べよう」と言って食事に連れていってくれて。

 

ーー状況的には美談にすることはできませんが、気を使ってくれるお姉様といいますか……。

後藤 すごく優しいんです。言葉ではなにも言わないんですけど、態度や行動で示すというか。いっつもそうなんです、姉ちゃんは。

ーー2007年10月20日に出頭して銅線窃盗で逮捕、12月11日にガードマンを拘束した強盗傷害で再逮捕。そして、翌2008年5月21日に判決が。

後藤 5年6ヶ月の実刑判決でした。

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写真=三宅史郎/文藝春秋