8月14日、ジャニーズ事務所の“ゴッドマザー”藤島メリー泰子名誉会長が都内の病院で亡くなった。死因は肺炎、享年93歳だった。メリー氏の訃報にあたって、芸能記者らはみな「見事だった」と口にした。

 彼女はこれまで、数多のジャニーズタレントを叱咤し、庇護してきた。メリー氏の壮絶なジャニーズ人生#1では、郷ひろみのバーニング移籍や、田原俊彦との小学館乗り込み、金屏風事件などでの、彼女の剛腕を紹介した。しかし、メリー氏は自身の体調から何か悟るものがあったのか、2020年に彼女らしからぬ態度をとる。

メリー喜多川氏 ©文藝春秋

 それは近藤真彦の不倫騒動後のことだった。

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メリー氏の終活「マッチらしく責任を取りなさい」

 近藤真彦が、アパレル会社社長との不倫を報じられたのは「週刊文春」(2020年11月19日号)。滝沢秀明氏がジャニーズ事務所の副社長に就任してからというもの、ジャニーズは不祥事を起こしたタレントを厳しく罰してきた。そんな最中でのことだった。

「ただ、不倫報道後であっても、周囲は近藤にはメリーさんが付いているから安泰だろうと思っていました。メリーさんは2019年7月にジャニーさんが亡くなった後、副社長から会長に、そして2020年9月には名誉会長に就いていましたから。

 しかし、長年にわたって近藤の最大の庇護者だったメリーさんが、この不倫報道に際しては『マッチらしく責任を取りなさい』と諭したようなんです。それで近藤は無期限の芸能活動休止に追い込まれ、今年4月に退所しました。

 メリーさんは自分がいなくなったあと、近藤がジャニーズで居場所を失うことが見えていた。跡を継ぐジュリー氏や滝沢秀明氏にとっても、やりづらい存在になったでしょう。“泣いて馬謖を斬る”ことで、かえって近藤を生かそうとしたのではないか。メリーさんの最後の愛のムチだったのかもしれません」(前出・スポーツ紙芸能デスク)

 近藤は「悲しすぎて言葉が見つかりません。『私、昨日も寝てないのよ』が口癖でした」と、メリー氏の仕事にかける情熱を振り返った。そして「最後まで迷惑をかけてごめんなさい」と懺悔のコメントを発表している。