――「再婚したい」から「してもしなくてもいい」へ、心境の変化があったんですね。
益若 法律婚をしたら子どもの名字が変わりますよね。それも悩みますし、そもそもこの後一生、ひとりの人を愛し続けるって、人生100年時代にかなり無理なんじゃないかと周りと話します。芸能人はよく離婚すると思うかもしれないですけど、周りの人たちを見ていると、そもそも失敗しやすいと思うんですよ。
交際をオープンにできないから旅行もデートもほとんどできません。相手が店員さんにどんな対応をするか、知らない土地に来たらどんな振る舞いをするか、何にも知らないまま密室デートを繰り返して、一回も一緒に外へ出ずに結婚しちゃうことだってあるようなもの。それは、うまくいかないことがあっても仕方ないですよね。「結婚は最低でも3回するのが当たり前」みたいな時代が来るかもしれません(笑)。
自分を出すのが当たり前、恋愛は犯罪じゃないですよね
――益若さんはプライベートをオープンにされていますが、海外だと授賞式にパートナーと出席したりして、交際がタブーという感覚はなさそうですよね。
益若 私は読者モデル出身で芸能人という意識もないから、自分を出すのが当たり前だと思ってたんですよ。それに恋愛は犯罪じゃないですよね。好きな人を好きと言うことの何が悪いのかわからないんです。あと、私が誰と付き合っていようと、「益若つばさ」という商品としての価値は変わらないとも思ってて。たとえばある俳優に恋人がいても、その人の演技の素晴らしさは変わらないと思う。それと同じようなことじゃないですか?
「指輪をどの指につけているか」だけで報道されることもあります。でも人によっては、その指輪がその時しっくりくる指につけているだけで。そういう他人の一つひとつの行動に一喜一憂する人がいること自体、すごく不思議です。プライベートが充実していたら仕事もいいパフォーマンスが発揮できるでしょうし、人から見ればあきれるような恋愛をして失敗したとしても、私はその人の仕事ぶりとは直結させないですね。
海外では好きな芸能人が結婚しようが離婚しようが子どもがいようが、「あなたの作品が好き」とか「あなた自身が好き」みたいな感じだと思っています。日本もそうなってくれたらもっとみんなハッピーになれるのに、と思います。だから私はどこでも、彼がいたら一緒に出かけてますよ。撮られるのは嫌ですけどね(笑)。
写真=深野未季/文藝春秋
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