2021年3月から始まった公判の途中には、村上の妹から示談を求める相談の手紙が絵里さん宛に届いたことがあったという。
「内容を見て驚きました。てっきり謝罪が書かれているのかと思ったら、『(村上を)選んだのは誰でもなくお母さんなんだよ』『私の知り合いで似たような状況になった子はリストカットをしている』と書いてあり、まるで絵里が自傷行為に及んでいないのは傷ついていないからだ、と責めるような内容でした。絵里は精神状態が不安定になり、お医者さんからもPTSDと診断を受けました。娘は私に心配をかけないよう気丈に振る舞ってくれていますが、それは傷ついていないのではなく周囲に悟られないよう懸命に我慢しているだけです」
「この件の問題は当事者のあの子じゃなくて親なのよ」
真相を確かめるために村上の実家を訪れると、村上の父親がインターホン越しに30分にわたって取材に応じた。
――最近の村上氏の様子はどうですか。
「面会には行っていますよ。息子は申し訳ないことしたと言ってます。息子の携帯からSNSも全部消させて、携帯も解約しました」
――本人は判決を受け入れている?
「受け入れて、もう落ち着いている。本人は本人なりに反省していますよ。ああいうことをしたらこういう目に遭うんやっていうのを覚えただろうし、まぁいい教訓じゃないですか。とにかく今は刑に服すしかないから。音楽をやるのはかまわないけど、これからは一切女の子と付き合うなと伝えています」
――出所後は音楽活動を再開する予定ですか?
「もうアメリカ行けやって言ったんですよ。あいつはよくシカゴに行っとって、シカゴにも友達いるからそっちで活動したらいいんじゃないのって。何も日本だけが土俵じゃない。なにせ才能ありますから。周りもあれは絶対に才能だと言ってくれます。その才能があるならつぶす必要もないし、どんどんやればいい」
――今回の事件については、どう感じていますか。
「私も妻も、今回の件に関して当然ショックを受けていますよ。ただ被害者に対してどういう気持ちと言われても、面識はあるけどほとんど接触はない状態だから……。会ったのは2回くらいじゃないかな。こんなこというのもおかしな話かもしれないけど、(絵里さんは)あんまり素行がいいという風には聞いてないね。でもはっきり言って、この件の問題は当事者のあの子じゃなくて親なのよ」