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《白金高輪硫酸事件》「恨みを買ってしまったかもしれない」被害者男性が1度だけ語っていた大学時代のトラブル

《白金高輪硫酸事件》「恨みを買ってしまったかもしれない」被害者男性が1度だけ語っていた大学時代のトラブル

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事件当日の朝、花森が初めて見せた行動

 花森は地元の小中学校を卒業後、サッカーで有名な私立高校への進学を経て沖縄の国立大の農学部へ進学した。しかし高校卒業直前から大学生の頃にかけて悲劇が続いた。

花森容疑者が1人で暮らしていた静岡の自宅 Ⓒ文藝春秋 撮影・細尾直人

「7年ほど前に父親が病気で亡くなったと聞いています。その数年後には母親も亡くなってしまった。弘卓くんは沖縄を引き払って静岡へ戻り、事情が事情ということで、静岡の大学に特待生扱いで編入することになり、大学ではカブトムシの研究をしていて、家の中に土などを持ち込んでいたと親族から聞きました。両親が健在のときは家も片付いてガレージに綺麗なバラも咲いていたのですが、彼が1人で住むようになってからは研究で使っているらしい土が散乱し、自転車も倒れるなど荒れ放題だった。最後に彼をみかけたのは24日の朝で、珍しくガレージを掃除していました。そんな姿は見たことがないので、今思えばその時点ですでに荷物の整理をしていたのかもしれません」(同前)

花森容疑者の自宅ガレージ Ⓒ文藝春秋

 硫酸を事前に準備するなど、今回の犯行は計画的だったと見られているが、被害を受けたAさんの大学時代の友人は「Aは皆に慕われていて、恨みを持たれていたとは考えづらい」と証言する。

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「Aは関東出身で、関東の大学を受験したのですが合格せず沖縄の大学にしたと聞きました。それでも決して腐ることなく、『いつかは起業したい』という志を持って勉強も頑張っていた。就活も誰よりも汗を流して今の会社に入り、1日100件以上も電話をかける厳しい営業ノルマを文句も言わずこなしていました。料理も得意で、から揚げを皆に振舞ってくれたり、勉強もよく教えてくれた。大学時代に交際していた女性はいましたが、女性トラブルの話も聞いたことがありません」

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