文春オンライン

小田急と交わる南武線“ナゾの終着駅”「登戸」には何がある? 多摩川の近くにどうして“国民的ロボ”が…

2021/09/06

genre : ライフ, 歴史, , 社会

note

とても“シンプル”な駅

 それはさておき、登戸駅の周りを歩く。南武線と小田急線がおおよそ90度で交わっている構造で、駅前広場は連絡橋の下、南東側に設けられている。広場の中央にはスナックや小さな飲み屋がまとめて入っているような施設がある。駅前再開発にあたってこのあたりにあった店をまとめて入居させているようだ。

 
 
 

 さらにその周囲にも小さな飲食店がいくつか建ち並ぶ。特に小田急線の高架沿いには、お隣の向ヶ丘遊園駅に向かって店が続いていて、小さな商店街になっている。

 

 登戸駅の出入り口は事実上この広場のある南東側だけで、他には南武線から直接出られる北東側、広場から小田急線のガードをくぐって出られる南西側がある。北西側に出ようと思えば、いちど北東側に出てから道路を歩くか、南西側から踏切を渡るか。まあ、いずれにしてもたいして時間がかかるわけでもないので不便というほどのことはない。

ADVERTISEMENT

 
 

 つまり、いたってシンプルな駅なのだ。小田急登戸駅の高架下にはドトールコーヒーや日高屋などが入っている小さな商業施設、南武線の改札の向かいにも小さな商業施設があるが、他にはとりたてて駅ビルのようなものはない。

 武蔵小杉ならば東急スクエアがあったりして寄り道万歳の雰囲気を漂わせるが、登戸はもう乗り換え特化、乗り換えるついでに登戸で降りてちょっと寄り道、なんて感じの駅とは違うのである。

 
 

 もちろん、駅の周りにマルイもないしタワーマンションもない。背丈の高いビルはほとんどなくて、駅前のごく狭い範囲を除けば住宅街の中の駅といっていい。高いビルがないおかげで、登戸駅の南側遠くに広がる生田緑地などの丘陵地もよく見える。藤子・F・不二雄ミュージアムをはじめ、岡本太郎美術館などもある川崎市民憩いの場だ。