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小田急と交わる南武線“ナゾの終着駅”「登戸」には何がある? 多摩川の近くにどうして“国民的ロボ”が…

2021/09/06

genre : ライフ, 歴史, , 社会

 今回の主役は、南武線である。

 川崎駅から多摩川に沿って北西へ。南多摩~府中本町間に至ってようやく多摩川を渡り、東京の府中を経て立川駅を終点とする、あの通勤通学路線だ。

南武線“ナゾの終着駅”「登戸」には何がある?

 で、この南武線によく似た役割の3つの駅がある。武蔵小杉、武蔵溝ノ口、そして登戸である。武蔵小杉駅は東急東横線、武蔵溝ノ口駅は東急田園都市線(田園都市線は溝の口駅)、登戸駅は小田急線と交わっている。つまり、東京都心と南武線沿線を接続する、実に重要な役割を果たしている3兄弟というわけだ。

 この3駅、実際に南武線の中における地位はダントツである。南武線各駅の乗車人員を見ると、1位は圧倒的に川崎駅なのはいいとして2位から4位が武蔵小杉(約8万9000人)・武蔵溝ノ口(約6万4000人)・登戸(約5万9000人)と続く。第5位が分倍河原駅(こちらも京王線との接続駅だ)の約3万1000人だから、3兄弟の存在感は圧倒的といっていい。

今回の路線図。「登戸」は、武蔵小杉、武蔵溝ノ口につぐ南武線“第3の駅”だ

「登戸」には何がある?

 ただ、3兄弟の末っ子たる登戸駅が問題なのだ。いや、南武線ユーザーはもとより小田急線ユーザーにとっては実に存在感の大きな駅だとは思う。しかし、武蔵小杉が天下のタワマンの森の中にあって、武蔵溝ノ口も二子玉川にもほど近い天下の田園都市線接続駅だ。

 そうした中で、登戸はちょっと地味だ。小田急線が悪いわけではまったくないし、都心へのターミナルまでの所要時間は3兄弟いずれもたいして変わらない。ただ、タワマンもないし多摩川を渡っても楽天の本社もない。言われてみれば、何があるのかよくわからない乗換駅なのだ。

 ちなみに、南武線には夕方から夜にかけてなど、登戸駅を終着とする電車がある。筆者は府中在住なもので、南武線で川崎や武蔵小杉あたりから帰ろうとするときに「登戸ゆき」がやってきて絶望することもしばしばだ。そういう意味で、登戸駅はナゾの、というか困りものの終着駅でもある。

 

 そんなわけで、南武線3兄弟の中でいちばんナゾに溢れる登戸駅にやってきた。もちろん小田急線ではなく南武線でやってきた。