見た目はもちろん、衛生面にも気を遣ってキレイに保ちたい浴室やトイレは、落としにくい汚れが付きやすい場所。それだけに、どのように掃除すればよいのか悩まれる人も多いだろう。しかし、洗剤を作る側、使う側、両方の視点をもって掃除を追求する本橋ひろえ氏によると「安心キレイ」を実現できる予防法・掃除法が可能だという。
ここでは、同氏の著書『ナチュラルおそうじ大全』(主婦の友社)の一部を抜粋。“水まわり掃除”で抑えておきたいポイントを紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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カビ、菌、水アカ、アブラにホコリ…汚れの種類が多彩でガンコ
浴室でいちばん多いのは角質(湯アカ)、つまり体から出る汚れです。床と浴槽にたくさんついています。ただ、これらは簡単に洗い流せます。次に多いのは水アカ。一般的な浴室用洗剤はアルカリ性のものが多く、水アカ、石けんカス、カビ・雑菌は落 ちません。流しきれていないシャンプー、ボディソープは、カビや雑菌の大好物。ポカポカの水蒸気に満たされ、温度も湿度も快適です。まさに、カビや雑菌にとってはベストコンディション。そこに洋服やタオルの繊維に髪の毛が加わって、汚れはハイブリッド状態に。「じゃあ徹底的に掃除しなくちゃ!」と強力アルカリ性洗剤を手にするのは待って。浴室とは裸のおつきあいですから、使うのは肌に触れて安心な洗剤にしましょう。それは重曹。重曹は入浴剤の原料でもあり、流し残してもカビのエサになりません。水アカにはクエン酸。これも食品だから安心安全です。
浴室は家のカビを防ぐ最前線、初期設定で食い止めよう
ここまで何度も掃除には予防が大事、と言ってきました。そして、浴室以上に予防の効果がはっきり見える場所はありません。やりがいがあります。自慢するわけではないのですが(いえ、実は少し自慢ですが)、カビ予防を始めてから5年、浴室にカビが生えたことは一度もありません。大掃除も不要です。
と言っても、たいしたことをしているわけではありません。カビにとってすみ心地の悪い浴室にしているだけなのです。第一条件は、浴室にモノを置かないこと。浴用小物は宙に浮かせ、シャンプーも石けんも脱衣所に置いておきます。使うときだけ中に持ち込み、出るときに体を拭いたタオルでボトルの水けを拭いて、もとの場所に戻します。そして、最後に入浴した人が掃除するのですが、何もないので簡単。3分もあれば終了です。