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全ての行為は同意のもと行われた。罪の意識はない

 小澤氏は取材班が事前に送った質問状に目を落としながら、絞り出すように言葉を紡いでいく。前編で指摘したように小澤氏は当時、高校生だったA子さんに対して、「マッキーペンで、下半身に卑猥な言葉をラクガキして写真をとる」など、女子高生が到底望むとは考えられないような“行為”を強要していた。小澤氏は今回、そうした行為を行っていたことはすべて認めたが、あくまで「全ての行為は同意のもと行われていたSMプレイだ」と主張した。罪の意識はないという。

「淫行の部分に対して、未成年に手をだしたと言われますが、自身の見解としては16歳から22歳までの時間を一緒に過ごして、かつA子さんの親族にも挨拶をしています。彼女はいま20歳を超えています。何故僕は淫行が成立する(A子さんが10代の)内に訴えられなかったのでしょうか。そして(SM行為という)性癖部分を切り取って、それを公表されたことについて、僕は完璧に女性側からのリベンジポルノではないか? という思いが根本にあります」

小澤氏のインタビューは120分に及んだ ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

坊主頭になったのはどうしてですか? 「覚悟ですね」

 所属事務所から解雇の通告を受けてから9カ月、小澤氏は、現在は無職で、芸能界に未練はあるものの復帰の予定はないという。小澤氏の感情が爆発し、涙を流したのは、取材班が今回、頭を丸めて取材現場にやってきたことについて質問した際のことだった。

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ーー坊主頭になったのはどうしてですか?

「覚悟ですね」

ーー謝罪ではなく、覚悟?

「謝罪の意味もあります。まず、僕の招いたことにより、迷惑をかけた関係者の皆様に本当に申し訳ないと思っています。僕は舞台の主演とかをやらせてもらっていたんですけど、本当に、皆に支えてもらいながらやってきた。一人じゃ何もできない役者でした。僕のことを気にかけてくれた仲間を裏切ることが申し訳ないとおもっていました」

ーー謝罪をしたい相手はA子さんではない?

「A子さんのことを向きあわなかったために、傷つけてしまったのは申し訳ないと思っています。なので、人と向きあわないといけない大切さというのは、今回記事がでたことで学ばせてもらったなと思っています。それがもっと早くだったら、こんなたくさんの人を巻き込むこともなかったし、A子さんをここまで、追い込むこともなかったと思いました」

思わず涙ぐむ小澤廉氏 ©文藝春秋 撮影・宮崎慎之輔

ーー追い込んだというのは、彼女が自殺未遂したことですか?

「自殺未遂ではなくて、僕に対して脅迫とか、僕からするとウソのようなことを(周囲に)言って、小澤廉を再起不能にしてやろうと、いわゆるマイナスな気持ちにさせてしまったことです。それに対しては本当に申し訳ないなと思っています。僕も中絶した後、1年くらいなんとか2人で仲良く終わる方法はないか探していたんですけど、ケンカも増えていって、結果的にお互いを憎む形になるのが本当に悲しくて。本当に綺麗に終わりたかったんですよ。お互いが幸せを思いながら別れたかったんです」