“反日”日本人 vs “反日批判”韓国人
さらに本書には日韓問題で反日論客として韓国で人気の帰化日本人、保坂祐二(元世宗大教授)との“戦い”も紹介されている。著者が保坂の反日慰安婦論を批判する“一人デモ”を保坂が在籍する大学前でやって糾弾ビラをまいたことから、保坂に名誉棄損で告訴され論争になっているのだ。“反日”日本人と“反日批判”韓国人の対決だから興味深い。
そして著者は慰安婦にかかわるいわゆる「強制性」を、外交的解決のためあいまいかつ安易に認めた「河野談話」や、外交的配慮による近年の「政府間合意」についても、慰安婦問題の虚構性を広げる結果につながったということで厳しく批判している。
またソウルの日本大使館前をはじめ内外に拡大設置されている慰安婦少女像についても「幻想の中のあどけない少女」「真実とはほど遠い少女物語」としてその虚構性を糾弾。批判のホコ先は韓国の教科書にも向けられ、虚偽に満ちたとんでもない記述がまかり通っているとしている。
著者は、元慰安婦たちの証言を検証し、韓国での法的根拠になっている定義に照らし合わせた場合、日本軍慰安婦被害者なるものは存在せず、そこに加害者がいたとすればそれは日本軍ではなく「ひどく貧しい国で自分の子どもを物のように売り渡した父母や、それを商品のように紹介し紹介料を手にしていた業者、そしてそれを性的商品として軍人や多くの男たちから金をせしめていたお抱え主だった」という。
その結果「日本軍は慰安所で定められた費用を支払い、性的欲求を解消する顧客にすぎなかった」といい「慰安婦問題はわれわれが解決しなければならない問題であって、決して他国にその責任を押し付けることではない」と書いている。