あの羽生善治さんを破り、新王座に就いたばかりの将棋棋士・中村太地さんは“テレビっ子”だった! てれびのスキマさんによるインタビューに中村王座が登場です。まずは“テレビ好きのお母さん”のお話からお聞きしました。(全3回 #2、#3につづく)
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母親がテレビ好きで、常にテレビがついている家庭だったんです
―― 王座獲得、初の栄冠、おめでとうございます!
中村 ありがとうございます。今までタイトル戦では、羽生さんに2回挑戦して負けていたので、今回こそ何とか結果を出したいと思っていました。僕も29歳ですし、そろそろタイトルを取らないと、なかなかチャンスも巡って来ないと思うので……。
―― 29歳はまだまだ若いと思いますが。
中村 いえ、羽生世代のみなさんは分厚い壁ですし、23~24歳くらいの下の世代もどんどん台頭してきています。加えて、15歳の藤井聡太さんの出現は社会現象になった通りです。彼もあと何年かしたらタイトル挑戦でしょうから、今回は一層、気合いを入れて臨みました。
―― 気迫がみなぎっていましたね。
中村 盤に向かうとちょっと性格が変わるんです(笑)。
―― このシリーズはいろんなジャンルの人にテレビとのかかわり方をお伺いするものなのですが、まずは幼いころのテレビの記憶から聞かせてください。
中村 うちは母親がテレビ好きで、常にテレビがついている家庭だったんです。朝はワイドショーを見てるし、昼も『笑っていいとも!』を見て『ごきげんよう』を見て、その後の昼ドラを見て。で、映画の再放送とかやってるとそれも見て、夕方になったらニュース見て。で、7時になったらバラエティ見て、9時になったらドラマが始まりますよね。月9とかそういうのが好きだったし。母親はSMAPがすごい好きで、『スマスマ(SMAP×SMAP)』とかSMAPの番組をすごいよく見てました。ほんとずっとテレビがついてましたね。
集中力がついたのはテレビをつけながら勉強したおかげ?
―― お母さんの影響でテレビを見てる感じ。
中村 そうですね。僕は小さい頃だと、『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー』が好きでした。
―― イライラ棒とか?
中村 そうです。学校でも流行って、おもちゃも出てたんで、それを買ってやったりしてましたね。それが小学校低学年ぐらいの時だったと思うんですけど。僕は中学受験したんですが、リビングで勉強してても母親は普通にテレビつけてました。
―― 集中できるんですか?
中村 ちょっとうるさいなって思う時もありましたけど、集中すると聞こえなくなったりするんですよ。集中力はここでついたのかな(笑)。あと、ニュースとかもテレビからやっぱり収集するような感じだったですし。中学受験直前の頃は、アニメも結構見てて、塾帰りの時間が、ちょうど『ポケモン』が始まるかどうかぐらいの時間帯なんです。急いで家に帰って『ポケモン』を見るみたいなことをやっていました。