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「親ガチャ」「人生のネタバレ」議論に見る、隣の芝の青さ

「たかしくんのお家がそんなに良いなら、たかしくんの家の子になりなさい」の破壊力

2021/09/24

 そういう泥臭い努力の積み重ねも、社会に対して絶望していたり、明るい光を見つけられなかったりすると、すべてが無駄なことのように思えます。親ガチャに外れたのだから、どうせ何をやっても無駄だという判断になるのは、確かに自分の人生に対する諦めだとも言えます。

「親ガチャ」「人生クソゲー」それらはただの呪いの言葉

 ただ、じゃああなたは何のために生まれたの。何をするために生きていくの。そういう問いを大学生や大学院生にぶつけると、それなりの割合の若者たちが「そんなことを考えたこともなかった」とか「希望する職業までは言えても、自分が何を人生で為したいかこれから考えたい」などという返答をしてきます。何をするのかまだはっきりとわかっていない状態なのに、環境や遺伝が失敗を運命づけているなんて話ができるわけがないじゃないですか。

 結局のところ、これら「親ガチャ」にせよ「人生クソゲー」にせよ、自分の人生で何を為したいか分からない、また、いままで過ごしてきた時間はもう戻らないという言葉を言い換えた呪いの言葉でしかないのかな、と思います。何か価値のあることを始めようというときに、いまこの瞬間が、貴方の人生にとって一番若いときなんだということを忘れています。

 高卒ならいまから大学を目指したっていいだろうし、婚活アプリに登録したり、より良い仕事を求めて転職や研修を受ける気持ちがあるならサイトを巡ってもいいんじゃないかと思うんですが、諦めを超えて、一歩前に出るためにまずは行動してみるというのがいいんじゃないでしょうか。

親ガチャについて

 20代のころは非モテに悩み、34歳まで童貞だった私も、ご縁を探していまの家内に巡り合い、素晴らしい家庭を一緒に築いて子どもも4人儲けることができたのは奇蹟でしかないと自分でも思っています。ただ、幸せを維持するためにいろんなものを我慢したり、次に繋がることのために何かを諦めることは往々にしてあります。そういう選択肢を少しでも増やすことができ、日々何かを達成できるよう歩き続ける人生であるほうがいいと思うんですよね。

 我が子たちが、車椅子に乗った私を押してくれる日が来るのなら。

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