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コロナで行動が制限され、夫がうつっぽく…自由のないカルト村で生まれた高田さんが感じた「村で暮らして良かったこと」

『カルト村の子守唄』作者・高田かやさんインタビュー#3

source : ライフスタイル出版

genre : ライフ, ライフスタイル, 娯楽, 読書

note

『東京交通会館』は見て回るだけでも旅行気分を味わえる

 最近ふさおさんはハーブティーにもハマっていて、毎晩のように種類の違うハーブでお茶を入れてくれます。神戸へ行くと必ず寄っていた『神戸スパイス』というお店があるのですが、去年東京の西葛西に支店ができたんです。「このハーブは肝臓に良いらしいよ」「これは自律神経を整えるハーブだって」「今日はちょっとステビア入り」などと、毎晩自分でブレンドしたお茶をお気に入りのティーカップで満足げに飲んでいるふさおさんの姿は、まるで童話に出てくるおいしいもの好きの熊さんのようで、見るたびクスクス笑ってしまいます。

――ふさおさんが元気になられて、よかったです。県をまたがない近場のお出かけで、面白かったところはありますか?

高田 千代田区有楽町の『東京交通会館』です。各地の物産館が入っていて見て回るだけでも旅行気分を味わえますし、大きな本屋さんもあるし、地下には美味しい食事処がいろいろあるんです! 初めて食べて以来『あけぼの』のカツ丼にハマってしまい、食べると元気が出るので仕事を頑張りたい時にふさおさんにせがんで連れて行ってもらうようになりました。帰りに1階の『北海道どさんこプラザ』でソフトクリームを買って、車の中でなめつつ帰るのが定番です。その日は高カロリーday(笑)。

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さよなら、カルト村。思春期から村を出るまで

この自粛期間中だからこそ…

 交通会館に限らず有楽町周辺はほとんどの都道府県の物産館があるんじゃないかと思うくらい様々なアンテナショップが揃ってるんですよね。『かごしま遊楽館』では現地から取り寄せていた知覧紅茶のティーバッグが買えますし、『とっとり・おかやま 新橋館』には季節になると新鮮な生らっきょうが置いてあるんです。いつもは近場の農産物直売所やスーパーで、自分で漬ける用のらっきょうを買っていたのですが、今年は『とっとり・おかやま 新橋館』で「福部砂丘の根付きらっきょう」を買いました。とても新鮮ならっきょうでした。

 今までは何か欲しいものがあるとまず現地へ行くところからだったので、東京にいながらにして各地の特産品が手に入るのはびっくりしましたし、とてもありがたかったです。

 子供の時、村から出られなかったことで意識が村の中に集中し、村での出来事や感じたことが濃く記憶に残ったように、この自粛期間中だからこそ得られる何かもきっとあるんじゃないかと思いながら日々過ごしています。

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